RKBの武田伊央アナにインタビュー! 期待の新人はギャップも魅力?2017/06/09
RKB毎日放送の2017年度新人アナウンサー・武田伊央。博多どんたく前夜祭の司会や、ラジオのキャンペーン企画のキャラクター、ラジオニュースなど、すでにさまざまな番組やイベントで活躍中だ。6月11日スタートの新番組「女子アナ教育委員会」(深夜2:30)のレギュラー出演も決定した、同局期待のホープに話を聞いた。
──アナウンサーを目指したきっかけは?
「学生時代に『福岡親善大使』の仕事をさせていただき、福岡の魅力を県外や海外に発信する楽しさを知ったことが、一つのきっかけです。その後、フランス語を勉強していてフランスへ留学したのですが、そこで同時多発テロが起こったんです。その時、現場からの中継を見て、外国の人でも映像や字幕などで多くの人が情報を共有できるテレビの存在を強く感じて、報道の仕事に進みたいなと。伝える仕事もしたいし、アナウンサーも目指そうと、総合職と併願で応募しました。楽しい時も大変な時も、街の人に寄り添える媒体がテレビなのかなと」
──RKB以外も?
「受けましたが、福岡以外は受けていません。生まれ育った福岡に恩返ししたいという思いから、就職するなら福岡と思っていました」
──子どもの頃からの憧れ、ということではない?
「はい。留学後ですから昨年の3月ぐらいにエントリーを決めました」
──どんな子どもでした?
「ずっと手遊びをしているような、内気な暗~い子だったと言われます(笑)」
──そんな人が、なぜ福岡親善大使に応募しようという気になったのでしょう?
「姉が初代の大使を務めていて、その成長ぶりを見て、親が『こんなにいい機会はない』と背中を押したんです。実際、名刺の渡し方や年上の方との話し方など、学生生活ではなかなかできないことを経験できました。(それまで)地元の方にかわいがっていただきましたし、街に貢献できることも大きかったです」
──大学時代に大きく変わったということでしょうか?
「そうですね。親善大使の経験は転機だったかと。ただ、採用決定後でも同期からは内気な人間に見られていたと思います。「黙っているアナウンサー」みたいな(笑)。入社後に少しずつ殻を破っていっている感じです」
──就職活動は?
「放送局は3局。ほかにジャンルが違う企業も受けていましたが、RKBが一番先に面接などが始まって、結果、最初で最後の企業になりました」
──学生時代に熱中したことは?
「中高6年間、陸上競技をやっていて、スポーツ一辺倒でしたので、大学では高校時代にできなかったことをやりたいと、留学を視野に入れていました。福岡からも出てみたいけど、東京とかじゃなくて、行くなら海外だと」
──大学でフランス語を選んだ理由は?
「特にありません。陸上競技ばかりでしたので、全く違う世界を、という思いからです」
──お顔立ちが外国の方と言っても通用しそうですが?
「100%日本人です(笑)」
──伊央さんというお名前も外国語の意味があるのかと?
「『伊』という字が武田の先祖に多く付けられていて、将来、嫁いで名字が変わってもいいようにといわれています。『央』は中央にいて、人に囲まれて育つように、ということからです。ただ、後から知ったのですが「イオ」はイタリア語で「私」という意味で、イタリアを表す漢字も『伊』ですので、大学時代にイタリア文学の先生からは勘違いされて、よく話しかけられていました(笑)」
──アナウンサーとして仕事を始められましたが、RKBはラジオもありますね。
「放送局を受けるまで、ラジオをあまり聞いていなくて。内定後に聞き出してから、面白さを感じています。聞こえてくる言葉だけで世界が広がり、そこに(リスナーが)浸るわけですから、すごいなと。絵が強い、つまり映像として見える情報が多いテレビと違ってラジオは言葉の世界。アナウンサーとしての実力が試せます。人間性ですとか、技術を磨ける大切な場だと思います。今も聴取率(向上)のイベントなどに出演させていただいています。リスナーの方と、とても距離が近くて。毎日聞いていると友達感覚になれるメディアですね。将来的に『福岡にこだわって、福岡に貢献したい』というのが自分の軸でしたので、地域の方と距離を縮められるチャンスがあるというのは、とてもありがたいことだと思います」
──5月25日にはラジオニュースの初鳴き。その模様がHPで公開されています。ご感想は?
「(インタビューしている)この会議室で、当日の午後1時ぐらいに部長(茅野正昌アナ)から『今日が初鳴きだよ』と言われて。実感が湧かないまま、どんどん時間が過ぎていって。皆さんからは『余裕だね』なんていわれてしまいました。始まる前は「頑張ります」なんて明るく言っていますが、終わった後、『ああ、これ、もう(放送として)流れたんだ』という事実を飲み込むと、一人ガクガク震えていました。『もっとできることがあったじゃないか』と思ってしまって。ほっとした思いよりも悔しさがあって、なかなか(放送)ブースから出られずにいました」
──(後見人役の)坂田周大アナからは誤読もなく、よかったと。
「ただ、内定をいただいてから半年間、研修をしていただいて、ゼロから育てていただいたのに、自分のレベルはそれに見合っているのかなと。『もっとできるはず』とストイックになってしまいますね。自己採点が不可欠な仕事ですので、満足せずにやっていきたいなと思っています」
──アナウンサーの仕事の難しさとは?
「しゃべり言葉がとっさに出てしまうので、普段から言葉遣いに気をつけることですかね。例えば、親しい先輩に、つい『昨日、お母さんが~』なんて話してしまい。『父、母という習慣を付けておかないと出ちゃうよ』と注意されます。言われているうちが花ですが(笑)」
──生活面で変わったことは?
「朝、早く起きるようになりました(笑)。入社後は、朝5時半までには起きています。そうでないと、声が出なくて。早めに起きて、体を起こして、9時半出社なんですが、8時には出ています。 それから、情報に敏感になりました。本とか映画とか、少しでも話題があるものはチェックします。新聞もコラム欄まで読むようになりました」
──時間が足りないですね。
「そうですね。ただ、例えば(午前)11時のニュースを読む場合でも、朝早く会社に来て新聞を読んでから行った時と、(ニュース)原稿とだけ向き合った時では、全く出来が違うんだなと、体感します。なので、11時のニュース担当時は朝刊を、夕方のニュース担当時は夕刊を読むようにしています。自分の中でイメージがふくらむんでしょうね、きっと」
──入社して意外だなとか、驚いたことってありますか?
「テレビって、もっと特別な雰囲気の中でやっているのかな、と想像していたのですが、ごく普通の企業然としていて。アナウンサーの先輩方もイメージしていたより、ずっと気さくな方ばかりでした。逆にご本人を知っていると、ラジオなどを通して聞いた時、『ああ、こんなにも言葉の端々に性格が出るんだ』と思います。これは、仲間に入れていただいてから分かるようになったことかもしれませんね」
──理想のアナウンサー像は?
「しゃべりとか、雰囲気作りとか、しっかりとしたアナウンス技術を持った女性アナウンサーになりたいです。『あの人が出ていたら番組がうまく回るよね。信頼できるよね』って言われるような」
──将来的にやってみたい番組は?
「報道志望でテレビ局を目指したのですが、配属されたアナウンス部は、報道部、スポーツ部、制作部、などすべてを体験できる部署なので、五輪やラグビーW杯もありますし、旬のものを捉えられる、アナウンサーならではのチャンスを生かしていきたいです。そのうえで原点の報道に戻るのか、新たな道に行くのか、分からないですけど」
──子どもの頃、好きだったテレビ番組は?
「『世界ウルルン滞在記』(TBS系)が好きでした。全く知らない世界を体験されている人のエピソードとか、芸能人でありながら“素”の状態を見られるのが面白いなと。つくろおうとしても生活しているうちに本音の部分が出てきますし」
──ご自身も出てみたかったとか?
「ええ、やってみたかったですね。趣味が旅行とカメラなので、世界のいろんなところに行って、いい写真を撮りたいっていうのはあります。留学中にはリュック一つで、カメラを持って2週間ぐらい、ユースホステルを泊まり歩いていました」
──先ほどの「内気」な面とはかけ離れて、すごく行動的ですね?
「内気の中に秘めていたんでしょうね(笑)」
──それが、親善大使をやってスイッチが入った?
「そうですね、家族も意外だったみたいです」
──お姉さんも親善大使で変わった?
「姉は元々、学校の代表とか務めるタイプだったので。私は、その陰に隠れているような。『ああ、あのこ(姉)の妹ね』って(笑)」
──今後は逆にお姉さんが「武田アナのお姉さん」と言われるようになるかも?
「そうかもしれないですね」
──系列局以外で最近よく見ているテレビ番組は?
「『有吉ゼミ』(日本テレビ系 月曜午後7:00)をよく見ています。DIYとか、見た後に試してみたくなるものが多くて。『私もできるんじゃないか?』って工具を探し始めたりしています(笑)。なので録画してます。それから、宣伝の入れ方なんかもすごいなって。入社後は見方も変わってきました」
──系列局の番組では?
「『情熱大陸』(TBS系 日曜午後11:00)が好きです」
──どうもありがとうございました。
質問に対して考えをまとめるスピードが早く、言いよどむことがほとんどなかった武田アナ。それでいて決して早口にならず、丁寧な話し方は、きっと聞く人に安心感を抱かせるだろうなと感じた。整った顔立ちと170センチ超の長身という見栄えする容姿に、そこからは少し意外に思える落ち着いた口調が、彼女の魅力かも。物事を真っすぐに見詰めようとする目線で、どんな事象を伝えてくれるのか、多様な経験を積んでいくであろう武田アナの今後の成長が楽しみだ。
【プロフィール】
武田伊央(たけだ・いお)
2月14日福岡出身。身長171センチ。趣味は旅行とカメラ。
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