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「Glorious World」土岐隼一 インタビュー2022/12/27

「Glorious World」土岐隼一 インタビュー

「今までの僕の楽曲にはなかった感じに加え、“ザ・王道”ということで、『聴いているだけでワクワクしました』というコメントをたくさん頂きました」

 近年はアニメ「東京リベンジャーズ」(2021年)の羽宮一虎役も話題となり、22年放送の「ブッチギレ!」、「惑星のさみだれ」などでも主要キャラクターを演じた声優・土岐隼一。アーティストとしても活躍し、22年10月には初のソロライブ「土岐隼一 presents Good For LIVE!!」を成功させた。23年1月25日に発売する3rdシングル「Glorious World」は、自身も出演する1月10日スタートのアニメ「人間不信の冒険者たちが世界を救うようです」(TOKYO MXほか)のオープニング主題歌だ。声優・アーティストして躍進する土岐の、アニメ愛と音楽愛にあふれたインタビューをお届けする。

――「Glorious World」の制作経緯を教えてください。

「アニメ『人間不信の冒険者たちが世界を救うようです』のオープニング主題歌を歌わせていただくことが決定し、楽曲制作がスタートしました。僕にとっては初のオープニングを歌わせていただけるということで、アニメの内容と紐付けた歌詞がいいなと思っていました。作品自体は、主人公たちが絶望から這い上がり、希望に向かって頑張るストーリー。なので、『ド王道のオープニングソングを全力で作りましょう!』と制作チームのみんなで決めました」

――作詞は、2ndシングル「真心に奏」(21年)のほか、1stフルアルバム「Good For」(22年)の表題曲など、土岐さんの多くの楽曲を手掛けたRUCCAさん。

「『いつかオープニングを歌わせていただく機会があったらRUCCAさんにお願いしたいね』と、いろんなところで話していました。作品のイメージを言葉で表現することに関して、RUCCAさんの右に出る人はいないんじゃないかなと思うぐらい、信頼している方なんです。だから、今回は具体的な要望は一切出さず、RUCCAさんに全力の歌詞を書いていただき、僕もそれを全力で歌わせていただこうと。仕上がった詞は、音へのはめ方もとてもすてきで、今までで一番“スン”と決まりましたね」

――「Glorious World」は、オープニングらしい爽快な楽曲。歌ってみていかがでしたか?

「気持ち良かったですね。レコーディングをしていて難しいと感じることは一切ありませんでした。初披露は22年10月開催の僕のソロライブ。そこでも“初めてなのに、なんでこんなに歌いやすいんだろう”と思えるほど。しかも、アンコールでの歌唱だったので、喉も相当疲労困憊(こんぱい)していたはずなのに…。それにはいろんな理由があると思うんですが、その一つが、僕が元々アニメが大好きで、いろんな王道のオープニングをカラオケで歌っていたからかもしれません。楽曲制作チームも、それをよく知ってくださっていたので、僕に合ったキーで僕に合った楽曲を作ってくださったからだと思います。王道を『マンネリ』と言う人もいますが、僕は全肯定派。この楽曲を聞いたら、誰もがきっと盛り上がれるはずです」

――2ndシングル「真心に奏」はかわいらしい楽曲でしたし、アルバム「Good For」は大人っぽい楽曲が詰まっていました。「Glorious World」は土岐さんの楽曲としては珍しいテイストのように思います。

「そうなんですよね。『Good For』で形作った“土岐隼一らしい楽曲”とはまた違ったテイストです。『Glorious World』のような雰囲気の楽曲は、声優をやっているアーティストなら真っ先に歌うものだと思うんです。逆に、僕は今まで一度もそういう楽曲を歌ってこなかったので…。ファンの方にいい意味でギャップを感じていただける曲を、初のオープニング主題歌としてリリースできたのは、すごくよかったなと思っています。それだけに、次にライブがあるとしたら、この曲をセットリストのどこに入れようかとスタッフさんたちと検討中です。ファンの方からは、『最初に歌ってほしい!』という声と『アンコールの曲に』という声、両方いただいているんです」

――ライブで初披露した時、ファンの方からの反応はいかがでしたか?

「今までの僕の楽曲にはなかった感じに加え、“ザ・王道”ということで、『聴いているだけでワクワクしました』というコメントをたくさんいただきました。すごく盛り上がってくれたので、“この方向性で、この曲にしてよかった!”と思いましたね」

――楽曲の幅が広がり、それをファンの方々も喜んでくださったんですね。

「3rdシングルのひとつ前にリリースした『Good For』では大人っぽい雰囲気の楽曲を集め、僕のアーティストとしての方向性を皆さんに知っていただきました。特に、収録曲の『ワスレモノ』はラブソングだったこともあり、皆さんの反応が気になって…。ワクワクもありつつ、“どう思われるのかな”とソワソワもしていたんです。いざ発表したら『ええやん!』と言ってくれた方がたくさんいらして…。あれを受け入れていただけたのなら、どんな曲を発表しても、『そういう感じね』と言っていただけるんじゃないかと。そんな中で発表した『Glorious World』も、“土岐隼一らしいオープニング”として受け止めていただけた手ごたえがありました。きっと皆さん、僕がアニメ好きだということも理解してくださった上だと思うんです」

――ファンの方の声を大切にしていらっしゃるんですね。

「僕は、“何かをやりたい欲”はめちゃめちゃあるけれど、具体的に何をしたいのかが自分でイメージできない人間。やりたいことをやるよりも、周りの人から『これは似合うと思うからやってみたら』と助言をいただいて、『それをやらせていただけるなら、僕だったらこうしたいです』とスタッフさんと全力で考えて、出力するのが好きなんです。だから、応援してくださっている方から『いつかオープニングも歌ってほしいです』とおっしゃっていただけたことも、それを実現できたことも、すごくうれしかったです」

――「Glorious World」のMVについても教えてください。

「19年発売の『約束のOverture』以来のド王道のMVになっています。『約束のOverture』に関しては、1stシングルであり、『序曲』という意味の『Overture』がタイトルに付いていることもあり、『これから僕が何かを探していく』というイメージの王道MVを制作しました。その後のMVは、例えば『True Gazer』は洋楽っぽさ、『真心に奏』はアニメ『大正オトメ御伽話』(21年)のエンディングということで優しさ、幸せを意識したもの。『Glorious World』のMVはそういった“っぽさ”ではなく、楽曲の爽快感、疾走感をふんだんに表現したものになっています」

――今回のシングルは2曲入りで、もう1曲は「Highway Love」ですね。

「『Glorious World』とは一転して、こちらはシティーポップテイスト。『土岐さんはこういうのが好きでしょ』とツボを押さえて作っていただいた、カッコ良さ、大人っぽさ、スタイリッシュさがギュッと詰まった1曲です。“収録された2曲を同時に聞いたら風邪を引くんじゃないか!?”というぐらい対照的な2曲ですね(笑)」

――「人間不信の冒険者たちが世界を救うようです」にはゼム役でご出演されますね。

「ゼムくんは神官で、神に仕えし者だったのですが、アニメのPVをご覧いただいたら分かる通り、“神官なのに、それでいいの!?”という状態になっています。ゼムをはじめ、主人公のニック(小林裕介)も他のキャラクターも、表層を見たらダメ人間。でも、そうなる理由がしっかりとあるんです」

――それぞれ趣味が、冒険者のニックはドルオタ、元神官のゼムはキャバクラ通い、魔術師のティアーナ(渡部紗弓)はギャンブル、戦士のカラン(菊池紗矢香)は食べ歩きですよね。

「現実から目を背けたい時、人間って自分の好きなものに没頭することがあると思うんです。しかも、彼らにはそれぞれ“そんなことをされたらそうなるよね”と思える強いトラウマがあります。クセのあるヤツらばっかりだなと思われるかもしれませんが、1話を見ていただければ、きっと彼らを応援したくなるはず。ゼムくんたちは、専門分野に関してはめちゃくちゃ有能だけど、あることがきっかけで人間を信用できなくなっただけ。しかも、彼らが抱いている感情は、『人のことを信じていない』という言葉通りのものではなくて…。そういった描写もすてきですし、“ダメ人間だけど、やっぱりこいつら、すごいんだ”と思えるところがたくさん出てきます。そこを楽しみにしていただければ」

――22年はアーティストとしてもソロライブを成功させ、声優としても多数の作品で主要キャラクターを演じられました。どんな1年でしたか? また、来年の抱負も教えてください。

「話がさかのぼってしまうのですが、21年はたくさんの新しいことを経験させていただいた1年でした。オフィシャルYouTubeチャンネルの開設、テレビへの初出演、そして『東京リベンジャーズ』の羽宮一虎くんをはじめ、僕としては新しいタイプのキャラクターを演じさせていただいたこと。“すごくいい経験ができたな”と感じると同時に、22年はそこで得た経験をちゃんと自分のスキルとして昇華する1年にしたいなと思っていたんです。22年もありがたいことにオーディションで多くの役が決まったり、いろいろなところに呼んでいただいたり…。23年はその勢いを止めず、ブーストをさらにかけていく1年にできたらと思っています」

【プロフィール】

土岐隼一(とき しゅんいち)

5月7日、東京都生まれ。A型。23年1月10日スタートのアニメ「人間不信の冒険者たちが世界を救うようです」(TOKYO MXほか)、1月7日スタートの「東京リベンジャーズ 聖夜決戦編」(MBS、テレビ東京ほか)、1月16日スタートの「ANIMATION『FLAGLIA』~なつやすみの物語~」(TOKYO MXほか)、4月スタートの「彼女が公爵邸へ行った理由」などに出演。

【作品情報】 

「Glorious World」土岐隼一 インタビュー

3rdシングル「Glorious World」
23年1月25日(水)リリース
【初回限定盤(CD+DVD)】¥2,090 ※写真
【通常盤(CD)】¥1,760
【アニメ盤(CD)】¥1,870
【きゃにめ限定盤(CD+DVD)】¥2,860
PONY CANYON

温かでポップな雰囲気だった2ndシングル「真心に奏」(21年)から雰囲気を変えたシングル。土岐自身が「王道のアニメのオープニング主題歌」と語る表題曲は、エレキギターが響くロックテイストで、爽快感のある1曲。

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(応募期間:12月27日正午~1月4日午前11:59)

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「Glorious World」土岐隼一 インタビュー

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②週刊TVガイド関東版2023年1月6日号 / 土岐隼一 特典生写真A

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③週刊TVガイド関東版2023年1月6日号 / 土岐隼一 特典生写真B

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④週刊TVガイド関西版2023年1月6日号 / 土岐隼一 特典生写真C

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⑤週刊TVガイド関西版2023年1月6日号 / 土岐隼一 特典生写真D

「Glorious World」土岐隼一 インタビュー

⑥ 週刊TVガイド関西版2023年1月6日号 / 土岐隼一 特典生写真E

「Glorious World」土岐隼一 インタビュー

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取材・文/仲川僚子 撮影/為広麻里 ヘアメイク/寺田英美(e-mu) スタイリング/村留利弘(Yolken) 衣装協力/KOU’S LICK CURRO



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