「Opus.COLORs」内田雄馬 インタビュー2022/12/12
「『スタミュ』でもすごく面白い表現や演出を生み出してきたスタッフ陣なので、楽しみにしています(笑)」
アニメ「スタミュ」(2015・17・19年)を制作したスタッフが再集結! 芸術の世界を描いていくオリジナルアニメーション「Opus.COLORs」が23年春よりスタートする。幼なじみの月見里和哉(内田雄馬)、多岐瀬響(逢坂良太)、都築純(花江夏樹)は、芸術学校である永茜(えいせん)高校へ入学。デジタルアートの新境地であるパーセプションアートの世界を描く青春ストーリー。今回、主人公の和哉を演じる内田に作品や登場人物の魅力について聞いてみた。
――オーディションでは、月見里和哉役を受けたのですか?
「いっぱいキャラクターがいる作品だったので、いろいろな役を受けたのは覚えているんですよ(笑)。誰の声を録ったか、全員は覚えていないんですけど、月見里和哉は受けていました。パッと見た印象で、和哉ははつらつとしていてエネルギッシュな印象だったので、自分のイメージとは違うかなと思っていたんですけど、和哉に決めていただいて…。ただ、実際に演じてみると、はつらつという感じではなく、思ったよりナイーブな子だったんですよね。自分の中でいっぱい思考をぐるぐるしちゃっていて、それが周りの人たちにも分かってしまうような、そういう何かに抑圧されているような子だったので、僕が選ばれた理由はそういうところなんだろうなって思いました(笑)」
――本作には、パーセプションアートという新たなアートが登場します。その作品を、プロデューサー的な立ち位置のグレーダーと、実際にデジタル空間に作品を描いていくアーティストが一緒になって作っていくわけですが、これは今の世界にも共通することですよね。
「すごくよくある話というか、作品って1人では作れないので、世の中にある仕組みではあるんですよね。この担当はこの人、この担当はこの人って、専門の人が集まって作品作りってするものなので、そういう設定は、見ている人にもすごく分かりやすいし、理解しやすそうなテーマだなと思いました」
――実際、映画とかでも監督とプロデューサーがいて、ひとつの作品を作りますからね。
「それぞれ視点が違うというのがいいですよね。同じ立場から同じものを目指しているわけではなくて、目線や立場が違うところで見ているから、感じることも違いますし。違う視点から見て、どうやって同じものを作るのか。その工程ではお互いの気持ちとか、相手を理解するということが大事になってくるので、それはこの作品でも重要な要素になってくるのかなと思います」
――リスペクトは大事ですよね。そうやってできたものにしっかり個性が出ていれば、素晴らしいですし。
「人が違えば当然答えも違ってくるわけですからね。物語の中でも、ステアケーサーコンクールという和哉たちが通う高校で開催される大会があるんですけど、学年の代表とか、その年を象徴するコンビとか、いろいろな個性が出てくると思うので、そこは楽しみにしています。この作品で描かれるパーセプションアートというものをどうやって表現していくのかも、まだ僕は分かっていないので、早く見てみたいです」
――すごく未来的なアート表現になりそうですよね。
「今回のようなARやVRを利用したアートというのは現実世界でもあるみたいなんですけど、僕は知らなかったんです。でも、特殊な空間に描くみたいなのはアニメならではの表現だなと思いましたし、ちょっと今っぽさがあってワクワクします。そういうところは時代に合っているというか、ネットワークが進化し続けてきているので、アニメの中の出来事も、より今の自分たちの現実に近い感覚になってきているというか。本当にこういうアートがあるのではないかって思う表現になるんじゃないかな…」
――メインキャラクターには、内田さんが演じる和哉のほかに、逢坂良太さんが演じる響、花江夏樹さんが演じる純もいます。元々幼なじみの3人で、純は、距離ができてしまった響と和哉にまた仲良くなってほしいと思っていたりします。響や純の印象も聞かせてください。
「まず、響はぶっきらぼうに見えるんですけど、雑なわけではないというか…。和哉と距離を取っているのも、思いやりの結果なのではないかとちょっと思っているんです。嫌で離れているわけではないんだろうなって。でも、和哉からしたら一緒にいたいし、一緒にアートを作ろうと言ってほしいんですよね。遠回しな思いやりよりも『お前と一緒にいたいんだ!』という分かりやすい言葉をほしかったりするんだろうなって、ちょっと思っています。なので、今の段階では大切に思っているものの場所とか距離感がすごく気になるキャラクターです。純は明るくて引っ張ってくれる子ですね。和哉のことも響のこともよく見てくれている。明るく声を掛けてくれるし、実は2人のことをすごく考えてくれているのに、考えている感じを出さない人なんですよ。だから、一番大人ですね」
――純の目線で2人を見るのも楽しそうだなと思いました。
「みんな誰目線で見るんでしょうね。でも、和哉と響の話でもあるから、それこそ純の立場から見て、“あいつらまったく…”って見守るのが面白いかもしれない(笑)。これは映像があがらないと僕も分からないですけど、楽しみですね」
――アニメ「スタミュ」を手掛けたクリエーターが再集結した作品ということでも話題になっていて、それも楽しみのひとつだと思っています。
「『スタミュ』の頃から長くお世話になっているんですけど、こうやって新しい作品で、またご一緒させていただけるのも幸せなことですね。しかもこの座組で主役というのも、めちゃめちゃうれしいです。音響監督の明田川仁さんとの関係も、実は『スタミュ』から始まっていて…。今でこそ仁さんと楽しくお仕事をさせていただいていますけど、最初はめちゃめちゃ緊張していたんですよ。すごく細かいところまで聞いてくださって、こちらが自由にやれるような現場作りまでしてくださるので、仁さんの元で芝居をするのはすごく楽しいんです。あとは、アートの表現ですよね。『スタミュ』でもすごく面白い表現や演出を生み出してきたスタッフ陣なので、楽しみにしています(笑)」
――突然歌が始まったり、いろいろと面白かったですよね。
「梅原裕一郎くんが演じていた北原廉が、すごく変なことを言ってましたからね。「有罪!」とか(笑)。あれは『スタミュ』現場でもバズっていましたから。今回も梅ちゃん(梅原)は灰島伊織役で出ていますけど、それ以外も個性強めなキャラクターが多いので、またそういう変なせりふがあるかもしれないですね(笑)」
――芸術を描く本作ですが、内田さんもソロでアーティスト活動をしています。音楽活動が声優の活動に還元されていると感じることはありますか?
「それは間違いなくあると思います。音楽を作るのもアニメのお芝居をするというのも、基本的には、いろんなセクションの方たちと一緒に作るということなので。音楽活動のやり方にもよりますけど、声優で個人名義でも活動している場合は、役とは違うアプローチが必要になってきて、相手を意識するいい機会になるんです」
――違うアプローチというのは?
「僕は1人では何も作れないと思っているので、仲間ってすごく大切なんです。ソロ活動では、それをより実感するんですよね。声優の場合は、まず最初に役と向き合うんです。そこから周りが見えるようになることが大事になるんですけど、自分名義の音楽だと、自分からダイレクトにコミュニケーションを取っていかなければならない。だからこそ、周りを見るということが大事になってくるんですよね。それを経験することが芝居にも生きてくるというか…。役を通してどう周りとコミュニケーションを取っていくのか、キャラクターが周りとどんなふうにコミュニケーションを取っているのか、そういうことを意識できるようになっていくので、相乗効果でいいものになっていると思います」
【プロフィール】
内田雄馬(うちだ ゆうま)
9月21日、東京都生まれ。A型。アニメ「デリシャスパーティ♡プリキュア」、「ブルーロック」(ともにテレビ朝日系)、「虫かぶり姫」、「悪役令嬢なのでラスボスを飼ってみました」(ともにTOKYO MXほか)などに出演中。
【作品情報】
「Opus.COLORs」
23年春スタート
TOKYO MXほか
放送日時未定
芸術の世界に没頭する高校生たちの青春を描くオリジナル“アート”アニメ。パーセプションアートは、五感に影響を与え、鑑賞者を没入させる架空のデジタルアート。そんなアートの世界を舞台に描かれる青春ストーリー。
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応募はコチラ→https://www.tvguide.or.jp/tvguide_enquete
(応募期間:12月12日正午~12月16日午前11:59)
ハガキでの応募方法は「TVガイド」12月23日号(P98)をご覧ください。
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取材・文/塚越淳一 撮影/トヨダリョウ ヘア&メーク/花嶋麻希 スタイリング/奥村渉
衣装協力=PUERTA DEL SOL、VIKTOR&ROLF/SHIFFON Co.,Ltd.
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