《前田吟×萬田久子×東貴博×鈴木福◆インタビュー》「二代目　和風総本家」への思いを語る2020/03/17

　テレビ大阪制作の人気番組「二代目　和風総本家」（テレビ東京系）が、2008年にスタートした「和風総本家」から数えて12年になる歴史に幕を下ろす。3月19日放送の最終回2時間スペシャルでは、「その後、お元気ですか？」と題し、これまでに取材した職人のその後の激変ぶりに迫る。このたび、最後の収録を終えたばかりの前田吟、萬田久子、東貴博、鈴木福に直撃インタビュー。その思いを存分に語ってもらった。

──最後の収録を終えての感想を聞かせてください。

前田　「しまったなと思った。もうちょっとうまくやれば良かったなって」

東　「うまくやってた方でしたよ。いつもよりかは（笑）」

前田　「本当はね、この番組を大阪万博まで続けられるように、僕がリリーフしようと思ってきたんだけどさ。失投ばっかりでねぇ…。申し訳ない。足引っ張って」

東　「いやいや、それが面白かったですよ（笑）」

前田　「番組が終わること自体も残念だね。こんな楽しい番組はないから。だって年代がすごいじゃない？」

東　「レギュラー陣の年齢が60歳も離れている番組なんて、ないですからね。孫とおじいちゃんと家族で見られる番組ですよね」

萬田　「『日本っていいな』のはしりの番組だし、私にとってはものすごい財産です。やっている最中はずっとエンドレスで続くものだと思っていて、終わりが来るなんて思わなかった。やっぱり寂しいですね」

東　「いろんな職人さんの成長も見られてね。日本の文化って代々受け継いでいくもので、そこに焦点を当てたいい番組だったと思います。やっぱりリサーチ力がすごいですよ。毎回の取材にものすごく時間をかけて、撮り方もこっている。職人さんがすごいから、その職人さんに負けないように、奇麗にきっちり撮ってあげないといけないじゃないですか。中には頑固な職人さんもいるだろうし、そこを口説いてやっと取材できるというね。そんな見えない努力がいっぱい詰まった番組ですよ」

萬田　「ロケに行くと、より分かりますよね」

鈴木　「僕もロケ行った時、面白かったし勉強になりました」

東　「福くんもね、この1年半の間に背も高くなって」

萬田　「だって、私より小さかったのに…」

前田　「この番組で元服しましたよ。コメントだってすごいもんね。こうして一緒にしゃべっていても全く違和感がない」

萬田　「ホントに頼れるもんね」

鈴木　「クイズはだんだん正解率が悪くなっていますけど（苦笑）」

──今日は最終回でしたが、スタジオは楽しい雰囲気でしたね。

鈴木　「そうですね。今日の収録も、本当にいつも通りの感じで…」

萬田　「また来週、スタジオに来そうだよね（笑）」

鈴木　「もっと最終回っぽくやるのかなと思ったら、吟さんがいきなり…」

東　「ふざけていたからね」

前田　「僕ら、ドラマは台本通りにやるけど、この番組は台本通りじゃない方がいいんじゃないかと思って。それだけですよ」

──東さんの吟さんへのツッコミも激しかったですね。

東　「僕のは、ツッコミじゃなくて注意です（笑）」

前田　「ハハハ。もうちょっと若かったら、訓練してネタ番組とかに出たかったね」

東　「でも、吟さんの懐が広いから、こういうやりとりが許されるんですよ」

前田　「（東は）子どもの頃から知っているしね。俺、お父さん（東八郎）のお店に飲みに行ってたから」

萬田　「吟さん、最初の頃、カンペに『色紙に回答』と書いてあるのを読んで、『いろがみに回答をどうぞ』って言ったじゃない？　あれがもう最高でした（笑）」

前田　「もうね、70歳を過ぎてから、漢字をどんどん忘れていくんですよ。読めなくなるし、書ける漢字なんて『前、田、吟』の三つくらいだよ」

東　「切実な老いの話じゃないですか（笑）。番組の最終回の話をしましょうよ。”人生の最終回”じゃなくて」

前田　「うまいこと言うね」

萬田　「でも職人さんの中にはすごくご高齢の方もいらっしゃるから、吟さん、まだまだ（若い）ですよ。職人さんで印象的だったのは、ある程度の年齢で自ら仕事をやめる方と、ずっとやり続ける方と二つに分かれますよね。いろいろVTRを見せてもらって感じました」

──では最後に、最終回の見どころを教えてください。

東　「やはり今まで取材してきた職人さんたちのその後や、若い職人さんたちの成長ぶりですよね。それがこの番組の歴史でもあるから、相当の見どころだと思います」

萬田　「凝縮された集大成ですよね」

前田　「みんな立派になっているからねぇ」

鈴木　「この番組が終わると、職人さんのことを知る機会が一つ減っちゃうので、最終回はぜひ見てほしいです。実は僕、その日が中学の卒業式なんですよ。そういうのも運命なのかなって」

東　「そうだね。あと、最終回の前田吟さんの司会も見どころかな」

前田　「ハハハハ」

【三好直プロデューサー　コメント】
「番組が始まった頃、僕はAD（アシスタントディレクター）で、ディレクターを経て今プロデューサーをやらせてもらっているので、最終回は感慨深いです。今日のVTRの中には、僕が過去に取材したものもありましたが、若い人たちの成長を見て、自分も頑張らなきゃと思わされました。番組の最終回は『未来につながる形にしたい』と考えていました。過去に取材した中で、すでに亡くなられた方もいましたが、でもその跡を引き継いで頑張っている職人さんの姿を見てもらって、未来に向けて明るく終わりたいなと思います。また、麻生美代子さんのナレーションも復活しますので、お楽しみに」