ドラマ「ヘルプマン」に浅利陽介、渡部豪太、瀧内公美らが集結。介護のリアルな世界描く2022/09/01
NHK-FMでは9月3日から、FMシアター「ヘルプマン -俺たちの介護物語-」(土曜午後10:00、全5回。9月10日は除く)を放送。浅利陽介、渡部豪太、瀧内公美らが出演する。
物語は、くさか里樹氏の同名コミック・シリーズが原案。介護に夢を持つ若き3人の介護士、恩田百太郎(浅利)、神崎仁(渡部)、小池桃代(瀧内)が「理想の介護」を目指し、介護のマニュアル化を進める社会福祉法人「マンモス・ケア」グループに闘いを挑んでいく。
介護現場に携わる人が心がけるのが、サービスの利用者それぞれに対する「個別ケア」。利用者が喜んでくれる顔を生きがいに懸命に働いている。しかしそれには時間も賃金もなかなか足りない。特別養護老人ホームを例にとれば、10人の利用者さんに対し、職員は1人で対応しなければならない。「超高齢化社会」の日本の介護現場のマンパワーは欧米諸国の実に1/3、しかも今、その数さえ削られようとしている。
番組には、NHK総合の「プロフェッショナル~仕事の流儀~」にも出演した加藤忠相氏、鈴木真氏が介護指導として参加。介護のリアルな世界が描かれる。
浅利が演じる恩田は、ホストクラブのヘルプから介護のヘルプマンに。利用者さんの笑顔を見たいと、とかく「理想の介護」へ突っ走る人物だ。そして、恩田の高校時代の同級生で、No.1ホストだったが、客の新居正美が認知症になったことで、介護の世界へ。「マンモス・ケア」で昇進を重ねるが、やがてその経営方針に疑問を持つようになる神崎役を渡部、特別養護老人ホーム「あいらんど」や「はーとらんど」の主任を務めるベテラン職員で、介護への思いは人一倍熱く、周囲からの信頼も絶大な小池役を瀧内が担当する。
浅利は「脚本を新幹線の中で読んでいたのですが、登場するキャラクターの素直な思いと、介護を通した社会の不条理さがぶつかり合っていて、目頭が熱くなってしまい、人が通りすぎるたびに台本で顔を隠していました」と物語に心を動かされた様子で、「この作品をきっかけに自分の両親のことを考える機会をいただきました。実際に現場で働いている方からいろいろなお話を伺いましたが、両親には楽しく、健やかな日々を送ってもらいたいと感じました。また、『介護』は自分の『身近にある』ことだということに気が付くことができてよかったです。今はまだと思っていますが、今後お世話になるであろうことも視野に入れて、両親に合ったサービスを探すために、まずは、もっと会話をしたいと思います」と本作への出演をきっかけに、さまざまな気付きがあったことを伝える。
渡部は「本作に参加して日本の介護業界の今を知るきっかけになりました。人の数だけ介護の形があって、互いにとって気持ちよく、心地いい『介護』って一体何なのか。介護『する側』と『される側』どちらの気持ちにも寄り添った温かい作品になったと思います。浅利陽介さん演じる主人公・恩田百太郎の迷いながら自分なりの答えを見つけていく様子は聴き応えがありますし、色とりどりな高齢者演じるベテラン俳優の皆さまの声で聞かせる存在感もお楽しみに。たくさんの人の思いが詰まったFMシアター『ヘルプマン』、この息遣いがぜひ多くの方の耳に届きますように」と呼び掛ける。
瀧内は「お芝居のお稽古のように皆さんと毎日集まって本読みをしながら、ああでもないこうでもないとお話をたくさんさせてもらった記憶があります。先輩方が教えてくださる介護体験や、介護指導でついてくださった鈴木さんのお話を頼りに皆さんと丁寧に作り上げました。脱線していくお話こそ、この物語をお届けする“大切なこと”がたくさん詰まっていたのだと思っています。演出の吉田(浩樹)さんの熱いご指導で引っ張っていただきながら、私が演じている小池桃代のキャラクターは、時に吉田さんのようでいいんだと感じたことも覚えています。常に周りを見て声をかけてくださり、場を明るく楽しく導いてくださった浅利さんがいてこその『ヘルプマン』でした。どんどん高まっていったチームワークのよさが声だけでお伝えするラジオドラマでもお届けできると信じています。最後のキャスト紹介までこだわって作りましたのでぜひ聞いてくださいね」と雰囲気のいい現場で撮影が進んだことを報告。
また、「マンモス・ケア」の元・理事長だったが、認知症となり、今は介護を受ける身となった新居正美役をかたせ梨乃、新居理事長退任後の「マンモス・ケア」の実権を握り、グループの利益を追求するため「完全マニュアル介護」を導入する寺田事務長役を小手伸也が担う。
かたせは「私自身両親の介護を始めて7年の月日が過ぎました。自分独りではできないことを助けていただき、現場の大変さも身をもって体験してまいりました。今回、正美さんというメッセンジャーを通して『何かを伝えられたらいいな」と思いながらマイクの前に立たせていただきました』と思いを伝える。
小手は「僕が2話目以降に演じます寺田理事長は、浅利さん演じる主人公・百太郎たちの価値観とはことごとく対立し、その対決が終盤に向けての大きな見どころとなっていきますが、介護問題の現状を多角的に見れば、一見冷徹な寺田の視点もあながち間違いではないというところをしっかり意識しながら演じました」と役柄と役作りについて触れ、「明るく前向きなドラマの展開を楽しみながらも、皆さまにとっていろいろな問題提起に思いを巡らせるきっかけとなれば幸いです」とアピール。そして「もちろん、今回も1話目から本役(寺田)以外の登場人物も複数演じていまして、吉田監督の僕に対するムチャぶり具合も史上最大となっております(笑)。そうしたラジオドラマならではの部分も含め、おおいに楽しんでいただきたいです。ご期待ください!(第1回では介護職員・嘉島役、第2回では東京都の職員役も…)」と複数の役柄を演じていることを明かす。
そのほか、特養「はーとらんど」入居者で、家事や内職など入居者自らが主体的に特養の運営に関わる「個別ケア」を提唱し、その導入を経営に働きかける松尾一郎役を高橋長英、同じく「はーとらんど」入居者である元美容師で、松尾をかつての恋人・タツさんと思い込んでいる宮園マチコ役を市毛良枝、母のマチコが松尾を自分の恋人と思い込んでいることにいらだちいら立ち、2人の仲を裂こうとする宮園知樹役を津田寛治、元・高校教師でプライドが高く、自分を子ども扱いする介護を拒絶する沢田千鶴子役と、在宅ケアを受ける町田チヨ役の2役を左時枝が務める。また、百太郎の母・美都子役や、沢口所長(第4回から登場)などさまざまな役を片岡礼子が担い、特養「はーとらんど」の介護職員。桃代のよき相棒である岡崎役に藤本沙紀が扮(ふん)する。
原作のくさか氏は「18年間、介護現場の方々と共に歩んできた漫画『ヘルプマン』シリーズをラジオで聞ける日が来るなんて夢のようです。漫画のキャラクターたちがまるで本当に生きているよう。制作、脚本、俳優の皆さん方の、物語への愛情がひしひしと伝わってきて胸がいっぱいになりました」と感想を述べる。そして、「悪戦苦闘という側面も踏まえた上で、介護には、クリエーターやアーティストと同じ喜びがある。世間が抱く介護の印象とは全く違って、ユーモアがあり、奥深い哲学がある。私が出会った介護現場のヘルプマンたちが口をそろえていう言葉『介護って面白い!』。その感覚を、ラジオを聞いてくださる皆さまと少しでも共有できますよう、心から願っています」とメッセージを寄せている。
介護の現場は慢性的な人手不足……その問題を解消するため、社会福祉法人マンモス・ケアは食事・入浴・排泄の三大介護の「完全マニュアル介護」を推し進める。食事・入浴は個別に対応せず、トイレ誘導拒否なら紙オムツ。しかし、それで利用者さんは幸せなのか? 利用者さんに喜んでもらわなければ、俺たちだってツマんねぇだろうが!? デイケアで、特別養護老人ホームで、そして在宅介護の各現場で、3人の介護士は、家事・内職はじめ利用者さんの希望をかなえる「個別ケア」で「理想の介護」を目指す。ホストのヘルプから介護のヘルプマンへ。百太郎たちの介護物語が始まる。
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