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吉高由里子、激動の時代に立ち向かった女性解放運動家・伊藤野枝を熱演!「彼女の本当の心の叫びを体現できたら」2022/09/02

吉高由里子、激動の時代に立ち向かった女性解放運動家・伊藤野枝を熱演!「彼女の本当の心の叫びを体現できたら」

 NHK BSプレミアムでは、9月4日からプレミアムドラマ「風よあらしよ」がスタートします。吉川英治文学賞を受賞した村山由佳さんの評伝小説を原作に、今から約100年前、結婚制度や社会道徳に1本の筆の力で真正面から異議を申し立てた、大正時代の女性解放運動家・伊藤野枝の生涯を描きます。

 あふれんばかりの情熱をただ一つのよりどころに、自由を求めて奔放に生き、文筆家として開花しようとした直前、理不尽な暴力によって28歳という若さで亡くなった野枝。そんな彼女が、貧困やジェンダー格差などの社会矛盾に果敢に立ち向かう姿が、見る人の心を揺さぶるドラマになっています。

吉高由里子、激動の時代に立ち向かった女性解放運動家・伊藤野枝を熱演!「彼女の本当の心の叫びを体現できたら」

 放送に先駆け、自由を求めて奔放に生きた野枝を演じた吉高由里子さんにお話を伺いました。

 まず、台本について「読むだけで体力をすごく持っていかれるような力強い作品だと感じました」と感想を話す吉高さん。「以前演じた(朝ドラ『花子とアン』の)村岡花子と同じ時代を生きたのに全く違う激動の人生で、野枝に時代が追いつく前に動き出した人というふうに思っています。生命力が強い人なのになんでこんな生き方しちゃったのって感じで。もうちょっと周りに流されておけばいいのにと思う半面、一つ一つに本気で立ち向かい戦った強い方なんだなという印象です」と野枝の人物像を表します。

 作品の肝ともいえる野枝の演説シーンに関しては「長い演説をする野枝のシーンは演じる上でごまかしも利かず、言葉もはっきり強い気持ちで伝えなきゃいけないので、このシーンはクランクインする前から大変だなと思い、練習にも時間をかけて挑みました。伊藤野枝の叫びっていうのをちゃんと聞いてもらえるのは、あのシーンが最初で最後なので、彼女の本当の心の叫びを体現できたらなっていう思いがありました」としっかり準備して臨んだと言います。

吉高由里子、激動の時代に立ち向かった女性解放運動家・伊藤野枝を熱演!「彼女の本当の心の叫びを体現できたら」

 撮影で印象に残っている場面を尋ねると「野枝の最期、殺される前に憲兵に向かって“犬”って言うシーンがあるんですが、人に向かって犬なんて言ったのは初めてでした。他にも権力を笠に着て向かってくる人たちに野枝が堂々と言葉で愚弄(ぐろう)し合うシーンは、今まで使ったことのない言葉遣いばかりで驚きました。『血の小便も出ないくらい絞り上げて』や、『二つ返事で動いてくれる、脳みそのない兵隊ばかり』というセリフは、何を言っているんだろうみたいに感じていました。言っちゃいけないことを、本当に鋭い剣で突き刺すような言葉遣いというか、伝え方をする人なんだって印象に残っています」と野枝に翻弄(ほんろう)されたよう。

 激しいセリフの応酬もある一方で、「監督が朝ドラ『花子とアン』の時にご一緒させていただいた柳川(強)監督だったので、とても懐かしい気持ちで撮影現場に入りました」と穏やかムード。その現場の雰囲気は、「柳川監督の柔らかい人柄のように和やかで、各部署の方たちも一人一人のポテンシャルが高いスタッフさんばかりだったのですごいなって思うことがたくさんありました」と尊敬のまなざしで、「でも、演じた野枝はお金がなくてペラペラの着物を着ているので、1月に海を走るシーンの撮影は本当に寒かったです。毎日走っていて、『何の作品だっけ?』と思うぐらい無心で走っていたのを覚えています」と振り返ります。

吉高由里子、激動の時代に立ち向かった女性解放運動家・伊藤野枝を熱演!「彼女の本当の心の叫びを体現できたら」

 辻潤を演じる稲垣吾郎さんとの撮影はあっという間だったそうで、「女学生が憧れるような、ミステリアスで口数の少ない男性の辻という役は本当に物静かな稲垣さんに合っていて、不思議なオーラがある人だなと思いました。大杉栄役の永山瑛太さんとは初めましてだったんですけど、大杉さんのような雰囲気を感じました。すごく言葉に影響力がある方だなって思いました」と明かします。

 最後に、「男尊女卑的な部分は、ずいぶんと女の人が生きやすく働きやすい時代になったと思います」と野枝が生きた時代と現代の違いについて挙げ、「女性は家の中に居るものみたいな言葉も随分聞かなくなってきたなって思いますし、男性も女性にすごく優しい時代になってきていたりとか、レディーファーストっていうような感じも出てきたり、いい部分がお互い残って共存し合える未来になっていたらいいですね」と期待を寄せ締めくくりました。

 撮影を思い返すかのようにじっくり語る吉高さんからは、現場がとても濃いものだったことが伝わってきました。プレミアムドラマ「風よあらしよ」をぜひ、ご覧ください。

第1話(9月4日放送)あらすじ

吉高由里子、激動の時代に立ち向かった女性解放運動家・伊藤野枝を熱演!「彼女の本当の心の叫びを体現できたら」

 今から100年前。女性の地位は低く、良妻賢母が求められた時代。福岡の片田舎で育った伊藤野枝は、東京の女学校へ入学し、教師の辻から「青鞜」の存在を教わって心をつかまれる。貧しい家を支えるための結婚を蹴り、自由を求め再び上京した野枝に才能を感じ取った辻は、彼女に知識を与え、導いていくことに。自由を渇望し、あふれんばかりの情熱を持った野枝は、平塚らいてう(松下奈緒)の青鞜社の門をたたき、徐々に時代の“若きアイコン”となっていく。

【番組情報】

プレミアムドラマ「風よあらしよ」
9月4日スタート
NHK BSプレミアム
日曜 午後10:00~10:49

NHK担当 S・A ヘア&メーク/足立真利子 スタイリスト/藤本大輔(tas)
衣装協力/LEMAIRE CHARLOTTE CHESNAIS  (共にEDSTROM OFFICE:03-6427-5901)



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