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中川大志、「マネジャーさんに背中を押してもらえたり、引っ張ってもらえるのはすごく大きい」――「オールドルーキー」インタビュー2022/08/26

中川大志、「マネジャーさんに背中を押してもらえたり、引っ張ってもらえるのはすごく大きい」――「オールドルーキー」インタビュー

 TBS系で放送中の日曜劇場「オールドルーキー」は、綾野剛さん演じる現役を引退したサッカー元日本代表の主人公・新町亮太郎が、さまざまな挫折を経て出合ったスポーツマネジメント会社「ビクトリー」で、セカンドキャリアを歩むヒューマンドラマ。新町をはじめとした「ビクトリー」で働く個性豊かなエージェントたちが対峙(たいじ)するのは、顧客となる現役アスリートたち。毎話豪華なゲスト出演に加え、本物のアスリートも登場し注目を集めています。  

 ここでは、「ビクトリー」の若手社員でムードメーカーの城拓也を演じる中川大志さんにインタビュー。現場の様子や城の役作りのほか、マネジメントという仕事を通して得た気づきについても熱く語っていただきました。 

――撮影もいよいよ後半に差し掛かっていると思いますが、あらためてどんな現場か教えてください。 

「すごく楽しい現場です! 作品自体もエネルギーのある熱い作品。僕自身もこれまでスポーツからたくさんの感動をもらってきましたが、あらためてスポーツには人の心を動かす力があると感じました。ちょっとおこがましいかもしれませんが、こういう時代だからこそ、前向きで視聴者の背中を押せるような作品になっていますし、参加させていただけてとてもやりがいを感じています」 

――「日曜劇場」へのレギュラー出演は初めてとのことですが、周りからの反響はいかがですか? 

「視聴者の方々のSNSでの反響から盛り上がりを感じていますし、周りからも声を掛けてもらうことが多いです。やっぱり『日曜劇場』という枠は、ほかのドラマ枠とはまた違った層から感想をもらっている印象がありますね。普段『見てるよ!』ってあまり言わない知人や、大人の人たちも楽しんで見てくださっているみたいなんです。いろいろなアスリートの方々も出演してくださっていますし、ゲストキャストの方がトレーニングして、初めての競技にチャレンジしている姿にもパワーをもらっている作品なんじゃないかな。そういう部分への反響も毎回うれしく見させていただいていて、自分のモチベーションにもなっています」 

中川大志、「マネジャーさんに背中を押してもらえたり、引っ張ってもらえるのはすごく大きい」――「オールドルーキー」インタビュー

――城の役作りでこだわっている点や、提案したことはありますか? 

「城を演じる時は、生い立ちや育ってきた環境などの部分を大事にしています。城は『ビクトリー』という組織の中でみんなの後輩的なポジション。年齢的にも下っ端で、いじられキャラのような立ち位置です。作中で直接描かれるわけではないのですが、城は旅館の息子で、お兄ちゃん、お姉ちゃんがいるエリートな家系の三男坊。そういう環境での末っ子って、どこかいい子でいなきゃいけないプレッシャーもあり、いい子でいることによって親から愛情をもらえたり、認めてもらえる環境で育ってきたのかなって想像しながら演じています。城にとってはそれが社会に出てからも潜在的に植わっているのかなって」 

――大人になってからも影響があるんですね。 

「はい。城は、もめ事や怒られるのが嫌いなんです。会社でも、みんなの顔や空気にすごくセンサーを張っていますし、気を使って空気をよくしようと頑張って盛り上げたりします。そういう一面は、城の育った環境が影響しているのかなと、演じながらすごく考えています」 

――第5話では、その守りの姿勢を壊す場面もありましたね。 

「そうですね。初めて自分が見つけたフェンシングの選手を新町さんと一緒にマネジメントすることになった時に、周りへの優しさだと思ってやっていることは、 実は自分を守るためにやっていたことなんじゃないのかということを新町さんから教わったんです。だからこそ、第5話では高柳社長(反町隆史)とも正面から向き合いました。今までの城だったら、そういう対立を無意識に避けていくようなキャラクターだったと思います」 

――スポーツマネジメントがテーマの本作ですが、芸能界のマネジメントにも少し近い一面があるのではないかと拝見しています。その辺りで感じていることはありますか? 

「その二つに通ずるものはたくさんあると感じています。芸能マネジメントの人たちも見た方がいい作品なのは間違いないですし、もしかしたら、そういうメッセージも多分こもっていたりして…。分からないですけどね!(と、おちゃめに笑う中川さん)」 

――(笑)。 

「普段、自分はマネジメントをしてもらっている立場なので、マネジメントする側の立場を演じて初めて見えた景色もいっぱいあります。特に第5話は、自分が初めて発掘してきた三咲麻有というフェンシング選手が登場する回。三咲を演じた當真あみさんもすてきな役者さんで、かわいらしくて、透明感があって、お芝居も真っすぐでした。だから、放送後に彼女に大きな反響があって話題になってたのを見て、うれしくもあり、ちょっと寂しくもあるというか…。みんなに見つかってしまった! という感覚がありました(笑)。芸能マネジャーの方々も同じような気持ちでお仕事をされているのだろうなと思いますし、そう考えるとすごくやりがいのある仕事ですよね」 

――三咲選手を思う熱いお芝居はとても見応えがありました! 

「ありがとうございます! 綾野さんとも話していたのですが、當真さんが本当に魅力的な方だったので、撮影しながらどんどんマネジメントにのめり込んでいけましたし、もらったものがすごく大きかったです。マネジメントする側は、自分が一番その人の魅力を分かっているという自負もないといけないと思うし、 その魅力がどうやったら世間に伝わるかを考えないといけないんですよね。実は、僕も自分が何かをしてもらうより、何かをやってあげることの方がやりがいを感じるタイプ。俳優という仕事も同じで、視聴者の皆さんに何かを届けるために、楽しんでもらうために、驚かせるために頑張っているので、最終的に通ずる部分もあると思います」 

――確かに大きなくくりでは同じ方向を向いていますね。 

「そうなんです。そして本作を通して、マネジメントは誰かの人生を左右する仕事でもあると痛感しました。三咲選手のマネジメントは、アスリートのプロモーションやメディアへの出し方について考えることがテーマだったので、芸能の世界と通ずる部分が多くあったんです。自分のマネジャーへの感謝が湧き上がってきましたし、あらためて大変なお仕事だと感じました」 

中川大志、「マネジャーさんに背中を押してもらえたり、引っ張ってもらえるのはすごく大きい」――「オールドルーキー」インタビュー

――そんな中川さんが、これまでマネジャーに支えられた言葉やエピソードがあれば教えていただきたいです。 

「僕は街を歩いていて、声を掛けてもらったところからこの俳優人生が始まったので、そこから考えると本当に人生が変わりました。その時スカウトを受けていなかったらどうなっていたんだろう…(と、しみじみ振り返る)。当時見つけてくれたマネジャーさんはもちろん、現在のマネジャーさんにも感謝しています。普段ずっと一緒にいて、自分のことをよく分かってくれているので、 言葉にして説明しなくても分かってくれることがたくさん。すごく安心感がありますね」 

――そういう関係を築けているのはすてきですね。 

「そうですね。たくさんわがままを聞いてもらっているおかげで、本当に考えなきゃいけないことに集中させてもらえています。新しい作品のお話をいただいた時も、マネジャーさんがいる心強さを実感するタイミングの一つです。俳優って何が正解か誰も分からないような不確定要素の方が多い仕事。半年後や1年後にどうなっているかも分からないので、だからこそ一つ一つの決断が大切で、数ある道の中から、より良いものを決めていかなきゃいけないんです。自分1人じゃ決断できない時に、マネジャーさんに背中を押してもらえたり、引っ張ってもらえるのはすごく大きいなと思います」 

――一緒に過ごしていて“大変だろうな”と思う部分はどこでしょうか? 

「自分で言うのもあれなのですが、俳優ってすごく孤独な生き物で、それは僕だけじゃなくてみんな同じだと思います。共有できることは少ないし、『じゃあ代わってください』って言えることでもない。だから、俳優という仕事をしていないと絶対に分からないラインはあると思うんです。それはアスリートの皆さんも一緒で、 僕たちはアスリートにはなれないし、その人になることができないから想像することしかできません。そういう中でどれぐらい相手に寄り添うかというバランスって、すごく難しいなと城を演じてあらためて思いました。そんな絶妙なラインを推し量りながら引っ張ってくれるマネジャーさんには感謝しかありません」 

中川大志、「マネジャーさんに背中を押してもらえたり、引っ張ってもらえるのはすごく大きい」――「オールドルーキー」インタビュー

――ドラマではセカンドキャリアもテーマとして取り上げられていますが、ご自身がオールドルーキーになるとしたら何のルーキーになりたいですか? 

「お芝居も好きなんですけど、エンターテインメントを作ってお客さんに届けるっていうこの作業自体が幼い頃から大好きで、やりがいを感じているので、俳優部じゃなくても大きくくくってエンターテインメントを作ることに関われたらすごくうれしいです。イベントでも、ライブでも、 映画でもドラマでもなんでもいいんです」 

――先ほども何かをやってあげることにやりがいを感じるとおっしゃっていましたね 

「誰かをプロデュースしたり、魅力をどうやったら伝えられるだろうって考えてる時間ってすごく楽しいんですよ! だから、そういう裏方の仕事もいいなって。マネジメントはもちろん、プロデューサーとかにもすごく興味があります」 

――では、エンターテインメントから離れるとしたら…? 

「全く違う世界だったら、建築関係ですね。ずっとやりたいなと思っていることの一つです。建物自体もそうですし、インテリアとか、内装や空間デザインにすごく興味があるので、いつか勉強してみたいなと思っています!」 

中川大志、「マネジャーさんに背中を押してもらえたり、引っ張ってもらえるのはすごく大きい」――「オールドルーキー」インタビュー

【プロフィール】 

中川大志(なかがわ たいし) 
1998年6月14日、東京都生まれ。2009年、俳優デビュー。11年、日本テレビ系ドラマ「家政婦のミタ」で長男役を演じ注目を集める。以後、NHK大河ドラマ「真田丸」、火曜ドラマ「花のち晴れ〜花男Next Season〜」(TBS系)、NHK連続テレビ小説「なつぞら」など数多くの話題作に出演。19年には映画「坂道のアポロン」「覚悟はいいかそこの女子。」で第42回日本アカデミー賞新人俳優賞を受賞。現在はNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に出演中のほか、主人公ソニックの声を務めた映画「ソニック・ザ・ムービー/ソニック VS ナックルズ」が公開中。11月からは本格舞台初主演となる「歌妖曲」が上演予定。 

【番組情報】

「オールドルーキー」
TBS系
日曜 午後9:00~9:54

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取材・文/TBS担当 A・M 撮影/蓮尾美智子



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