「MIU404」インタビュー【前編】今夜ついにスタート!
綾野剛「待っててくれてありがとう、愛ですね」
星野源「とりあえず3話まで見て!(笑)」2020/06/26
待ちに待った「MIU404」(TBS系)の放送が、ついに本日6月26日にスタートします! 警視庁刑事部の機動捜査隊を舞台にした今作の主演、綾野剛さんと星野源さんにお話を伺うことができました。放送を目前に控えたお二人の思いを前・後編にわたってご紹介。前編では、放送開始に向けての見どころや作品への思いをお届けします。
――撮影休止期間を経ていよいよ放送スタートを迎えますが、今の率直なお気持ちをお聞かせください。
綾野 「僕たちが作ってきたものを皆さんにお届けすることができるということ、そして撮影を再開させてもらったことに対して本当に感謝しています。休止の期間を経て、良い作品を作るぞという意識がさらに強まり、現場の熱量も非常に高いです」
星野 「休止前に撮影を終えていた2話を落ち着いて見ることができて、このドラマがいかに面白くて今までの刑事ドラマとは違うことや、今の社会について考えるきっかけとなる作品になると実感することができました。そんな作品をやっと皆さんにお届けできることがすごくうれしいです」
――放送開始に向けて始まった予告映像では、激しいカーアクションのシーンを拝見しました。あまり日本のドラマでは見ない映像だったので驚いたのですが、実際に撮影されてみていかがでしたか?
綾野 「あれすごいよね。何よりああいうカーアクションを撮らせてくれる自治体や、地域の皆さんに感謝しています。スタントマンの方々とのコラボレーションも一つの見どころです。正直、台本読んでいた段階ではここまで激しいカーアクションになるとは思っていなかったんです。でも撮ってみて、ちゃんと重力に立ち向かっている車はCGでは出せないリアルさがあると思いました。ドリフトシーンの撮影はやっぱりテンションが上がります」
星野 「1話を見ていただけたら分かると思うのですが、車を1台ボコボコにしています(笑)。最近はあんまり見ないですよね。いざ撮影が始まって“あ、ここまでやるんだ!”って驚きました。今まで誰もやったことがない撮影方法なので、新しい映像を届けられると思います」
――今作は1話完結の物語ですよね。 どのような作品になっていると思われますか?
綾野 「はい。でも、もう一つのストーリーが裏でずっと走っているんです。各話のゲストとは別に、全体ストーリーの方には別のレギュラーゲストの方が出演します。“この人出るの!?”って方々が登場するのでかなり驚かれるんじゃないでしょうか。役者はもちろん、役者ではないタイプの方も…。一番皆さんが驚くだろうなっていう人の登場は事前告知もしないはず。だから台本を落としたら本当にまずいんです。僕たちとしても、そんな素晴らしい方々がこの作品を選んで参加してくださったことを大変光栄に思っていますし、それだけ脚本の野木亜紀子さんや演出の塚原あゆ子さんへの信頼があるんだなと」
星野 「(自身が演じる)志摩(一未)には、第4機捜に入ったある経緯があります。それが『MIU404』根底のストーリーともつながっている。すごく楽しいドラマではあるんですが、ふとわれに返った時に、ものすごく大事なことを言われた気がするような。大切なことに気付かせてくれる作品になっています」
――お二人から見た野木さんの脚本の印象も教えてください。
綾野 「野木さんの脚本は、映像化することでさらに面白くなるということを前提に作られていると思います。しかも、これ以上ないだろうというところから、新たな展開が出てきたりするんです。演者としては、そういうところに心を揺さぶられますね。現場も、野木さんの脚本におんぶにだっこではなくて、“もっとよくするんだ!”という気持ちで挑んでいます。今作は、普通のドラマとは全然違う方式で撮影しています。たとえば、セリフって普通かぶらないんですけど、かぶるシーンをたくさん使うことでよりリアルな場面にしています。そういう新しいアイデアを現場に出させてくれるのが、野木さんの脚本の魅力だと思います」
星野 「エンターテイメント業界で仕事をする上で、僕が人を見るポイントの一つが“表現への姿勢”なのですが、野木さんは物語を紡ぐ人の姿勢が大好きなんです。ただ面白そうだからやる、ではなく“今この物語を世の中に放つ意味”をしっかり考えながら脚本を書かれている。しかもそれがちゃんと物語に組み込まれているので、自然なんですよね。特に『アンナチュラル』(同系)と『MIU404』は、オリジナル作品ということもあって話数を進めるごとにその強い思いを感じます。『あとは現場よろしく!』って言われますけど、やっぱりそこまで責任を持って書いている感じがしますね」
――いいプレッシャーになりそうな言葉ですね。お二人が演じる伊吹藍と志摩一未の印象についてもお伺いしたいです。
綾野 「伊吹は、なぜだかいつもとにかく機嫌がいい人です。明るい人とかではなくて、ただ機嫌がいいんです(笑)。物事への切り替えも早いですね。志摩より伊吹の方がアツい男に見えるけど、実は伊吹の方がメリハリが効いている人。そして、物語を引っ張る力を持っている役だというのは間違いないと思います。実を言うと、演じているという感覚あまりなくて。僕の良いところと伊吹の良いところを混ぜてあげている感覚です。だから、今こうやって話している感じも伊吹とそんなに変わらない。より自分らしくやらせてもらっています。それも源ちゃんがいるからかな」
星野 「志摩は、推理力と思考力が高くて周りから見ても刑事に向いている優秀な人。普段はダラっとしていて、熱血な部分はないように見せかけておきながら、捜査となると一転してものすごいアツいところを見せたり、すごい推理を発揮したり。能力高いなと感じながら演じています。でも、志摩は完璧で何でもできる人ではないです。今はちょっとアンバランスな状態で、時にとても悲しい表情を見せる。話を重ねることに、徐々に憂いの理由も明らかになっていくのですが、そんな志摩の変化にも注目して見てほしいです」
――今作は、主題歌「感電」を米津玄師さんが書き下ろしたということでも話題になっています。もうお聴きになりましたか?
綾野 「はい、聞かせていただきました。伊吹と志摩が動いているところをここまで想像して表現してくれている曲は、これ以上存在しません。歌詞もそうだし、キャッチーな部分と深刻な部分が上手にアンサンブルされていて、映像の中で流れて完成することも考えられていると思います。聴いたらシビレますよ」
――大ヒットの予感ですね!
綾野 「奇をてらったものを作るのがクリエーターっぽいイメージですけど、米津くんはど真ん中を狙っているんです。ど真ん中を狙うことは、何よりも難しいんですよ。賞をとることなんかよりも。メジャーなものを作るのが世界で一番クリエーティブだと思います。それを彼がやっていると痛感しました」
星野 「曲を聴いた時に、作品の世界観から触発されて作られているような、作品の中で流れることを意識して作られている曲だなと思いました。物語の中で曲がかかるタイミングも、塚原さんがいつもものすごく考えてくれているので、その素晴らしさもぜひ体感してほしいです」
――最後に放送を楽しみにしている皆さんにメッセージをお願いします!
綾野 「僕が皆さんにお伝えしたいのはシンプル。待たせてごめんね。そして待っててくれてありがとう、愛ですね」
星野 「今作はコメディー要素もありながら、シリアスな社会問題などの問題提起も混じっています。こんな面白い物語の展開があるのかと演じながら感動しているので、ぜひ見てほしいです。1話だけ見ても面白いと思ってもらえると思いますが、最低でも3話までは見ると、“もっと深まるのか! もっとなのか!”という深みを体験してもらえると思います。お楽しみに!
【番組情報】
「MIU404 」
6月26日スタート
TBS系
金曜 午後10:00〜10:54(初回は、午後10:00~11:09)
TBS担当 A・M
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