NEWS・加藤シゲアキが「100分de名著」で若者向け名著を指南! 読書が苦手な人は「マジでこの番組を見るべき!(笑)」2022/07/27
「100分de名著」(NHK Eテレ)が夏休み期間中、ファミリーで楽しめる特別版「100分de名著 for ティーンズ」を放送します。
本番組は、“思春期の悩みに響く文学作品”や“社会のしくみがよくわかる経済入門”といった、普段扱わないジャンルの名著を取り上げ、親子で視聴しながら“なるほど、そうだったのか”とうなづけるような解説を展開する、知的エンターテインメント番組。
司会を務めるのは、小説家としても活躍するNEWS・加藤シゲアキさん。収録を終えた加藤さんに、自身が10代の頃の読書体験をはじめ、本にまつわるさまざまなお話を伺いました!
──まずは、収録を終えての感想を教えてください。
「よく見ていた『100分de名著』の世界に自分が入れてもらえたという喜びがあります。今回は、ティーンズに向けた作品ばかりなので分かりやすい話ではあったのですが、ただ簡単な話というわけではなく、どの作品にも味わい深さを感じました。何より、僕自身がすごく楽しく勉強させていただきました」
──今回は夏休み中の学生たちに向けた名著を4作紹介されていましたが、特に印象に残った作品はありますか?
「どの作品も面白かったですが、(8月1日放送の)トルストイの作品は特に分かりやすかったですね。まさに『100分de名著』ならではの読み解きで、作品に込められたメッセージみたいなものを深掘りしていくんですが、事前に読んでいても気が付かなかったことにたくさん気付くことができました」
──トルストイの作品をはじめ、ほかの作品でも気付きはありましたか?
「“非暴力、非戦争”を訴えていたトルストイの作品を、戦争が起きている今の時代に10代の方たちに読んでほしいというのはあるかもしれません。あとは、生物学や経済学の名著も紹介するんですが、“すべての学問って人ごとじゃないんだよね”ということに気付けたきっかけになりましたね」
──“小説家”という立場で、今回の収録で刺激を受けたことはありましたか?
「生物学の話はすごく面白かったですね。僕自身、人類の進化の話とかをよく小説に入れ込んでいますし。好きなジャンルなのでいろいろ読むんですけど、今回の収録で『生物学おもろいな~!』とあらためて思いました」
──生徒役の鈴木福さん(第1・2回出演)と本田望結さん(第3・4回出演)と共演されていかがでしたか?
「2人ともすごく真剣に収録に臨んでくれました。しっかりしているし、物語に対して熱心に向き合ってくれて…。10代ならではの視点とか、考え方が違うので聞いていて面白かったですね。あとは、フレッシュな10代の方と話して刺激をもらいました!」
──では、ご自身が10代の頃の読書体験を教えてください。
「実は、僕が本を好きになったのは結構遅くて、大学生くらいまでは基本的に流行している本しか読んでいなかったんです」
──それは意外です…!
「大学生くらいになると、周りに読書好きな友達が増えたりもして、本の楽しみ方や面白がり方というのを知れた気がします。当時『100分de名著』があれば、もっと早く本を好きになれたのにな~(笑)」
──10代の頃に読んで、特に影響を受けた作品はありますか?
「『キャッチャー・イン・ザ・ライ(ライ麦畑でつかまえて)』ですね。誰とも共有できないような、モヤモヤした気持ちだったり、ちょっとした苦しい感情みたいなものがあった時期にこれを読んだら、すごく共感できたんです。僕自身が救われたような気がして感動しました」
──読書が苦手な方たちに、本を好きになれるようなアドバイスがあれば教えてください!
「これはマジで『100分de名著』を見ることです!(笑)」
──(笑)。
「あとは運だと思うんです、面白い本と出合う運。人に本を勧める時に、僕はよく読みやすい短編集だったり、僕の本を読めば?とか言ってたんですけど(笑)。それが本当にその人に刺さるかって分からないですよね。全員が面白いと思う本ではなくて、『あれ? この本の内容って自分じゃん、なんで自分のことを知っているんだろう?』という体験をしてしまったら、本のすごさを実感できると思うんです。自分だけが面白いと思えるものと出合えた時の喜びを味わってほしいですね」
──ちなみに、若者に向けて加藤さんが今お薦めしたい本はありますか?
「エーリヒ・フロムの『愛するということ』かな…? 少し難しい部分もあるんですけど、“愛とはなんだろう?”ってみんな考えていると思うんですよね。これを読んで、10代の方たちが愛について考えるきっかけになるといいなと思います」
──最後に、加藤さんが知的好奇心をくすぐられるメンバーを教えてください!
「難しいな~! 知的好奇心をくすぐってる側だと思ってたから(笑)」
──NEWS以外のジャニーズの方でも構いません!
「あ、ラウール(Snow Man)がパリコレに出たというニュースを見て、普通に『すごいな』って思いましたね。僕自身、小説家という(ジャニーズでは)誰もやっていないところに飛び込んで、楽しい時もあればいろいろな葛藤もして、常に模索してここまで10年ほど歩いてきたので…」
──新たな挑戦をしている姿に刺激を受けたというような…?
「そうですね。ジャニーズのみんなは常に頑張っているなと思いますが、ラウールは自分の身体性みたいなものを生かして、 いわゆるトップクラスのものにチャレンジするという。しかも10代でやっているというのは、とても刺激になりましたね」
──ありがとうございました!
初回は8月1日放送「トルストイ『人は何で生きるか』」
ある雪の日、行き倒れの青年を引き取ることになる貧しい靴職人の夫婦。さまざま出会いから少しずつ何かに気付いていくその青年から、やがて夫婦は人生にとって最も大切なことを教えてもらうことに。誰でも分かるやさしい言葉で語られたこの物語を、単に自分の外側の物語ではなく、自分の内面の物語ととらえると、深い真実が見えてくるという批評家・若松英輔さんの読みを通して、「人生にとって一番大切なものは何か」を学んでいく。
【番組情報】
「100分de名著 for ティーンズ」
NHK Eテレ
8月1日・8日・15日・22日
午後10:25~10:50
NHK担当・M
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