ジェイミー・ドーナンが野心的な脚本にほれ込んだ「ザ・ツーリスト 俺は誰だ?」2022/07/23
イギリスで大ヒットした「ザ・ツーリスト 俺は誰だ?」は、オーストラリア奥地の砂漠地帯で事故により記憶を失った男性が、記憶を呼び戻すべく奮闘するさまを描くクライムサスペンス。自分の過去を追いかけるワイルドな“男”を演じたジェイミー・ドーナンに、本作の見どころを聞いた。
── 本作に参加しようと思ったきっかけは?
「私はたくさんの脚本を読むことができるのですが、これは私にとって際立っていました。とても複雑で、想像力に富み、大胆で、非常に野心的な作品でした。私は常にチャレンジを求めますが、この作品はまさにそれでした。でも、本当に私の心を動かしたのは、『ザ・ツーリスト 俺は誰だ?』と同じくハリーとジャック・ウィリアムズがプロデュースし、クリス・スウィーニーがイギリスで監督した『バック・トゥ・ライフ』(2019年~)です。極度の悲しみや衝撃的な奇妙な出来事から、一転してとても面白いものへと変化していくドラマなんです。『ザ・ツーリスト 俺は誰だ?』には、視聴者を翻弄(ほんろう)するような演出が多く盛り込まれていて、このような内容を扱うには、クリス・スウィーニーが適任だと確信しました」
── 今作のテーマは何ですか?
「ネコとネズミの追いかけっこスリラーであり、1人の男が自分探しの旅をするダークでコミカルな作品です。でも、この作品には愛もあれば、恐怖、憎しみ、復讐(ふくしゅう)、自責の念…すべてが含まれています」
── この脚本の魅力はどこにありますか?
「とにかくクレイジーなんです。記憶を失いすべてをつなぎ合わせようとする男性という脚本の前提で、視聴者に明かされるのと同時に、彼にもすべてが明かされていきます。真実が何なのか、答えを見つけようとする人物の感覚にひかれたんです。私たちはみんな、人生につまずきながら答えを探しているのだと思いますが、この作品はより高い次元にあります。ダークなユーモアと過激なドラマが共存する作品に出合えるというのは、私にとって大きな魅力でした。その二つが共存する脚本は、なかなかありませんから」
── “男”はどんな旅に出るのでしょうか?
「南オーストラリアのほこりっぽい奥地をドライブしていますが、この“男”について多くは語られません。そして、その“男”は道路に振り落とされ、ひどい事故に遭います。病院で目を覚ますと、何も覚えておらず、自分が誰かも分からない。そして、何が起きたのかを知ろうとする狂気の壮大な旅が始まる」
── “男”とレストランで働く女性・ルーシーの関係の変化が面白いですね。
「“男”はシャローム・ブルーン=フランクリン演じるルーシーと出会い、ちょっとしたきっかけで心を通わせますが、そこでさまざまなことが起こり、型破りなことが明かされていくのです。さらに、ルーシーを通じて“男”がどこから来たのか、どんな旅をしてきたのか、何が彼をそこまで導いたのかが、より深く分かるんです」
── 警官を演じるダニエル・マクドナルドとの共演はいかがでしたか?
「交通課の警官・ヘレンは自分の身の丈に合わない事件に取り組んでいます。ダニエル・マクドナルドの演技が素晴らしく、視聴者は一瞬で彼女のことを好きになり、彼女の味方になってしまう。“男”は記憶を失っているが、彼女に好意を抱いている。彼女はずっとしゃべり続けていて、それがとても面白いんです。2人は一緒に信じられないような旅に出るのですが、とても意外な展開で、見る者を楽しませてくれると思います」
── 南オーストラリアでの撮影はいかがでしたか?
「世界中どこでも、どんな場所でも撮影は難しいと思います。多くの場合は天候の問題です。私たちがアウトバック(オーストラリア内陸の砂漠地帯)で撮影を始めた時、最初の5週間はそれほどひどい状態にはならなかった。めちゃくちゃ暑いというわけでもなく、私たちの味方をしてくれました」
【プロフィール】
ジェイミー・ドーナン(Jamie Dornan)
1982年5月1日生まれ。北アイルランド出身。映画「フィフティ・シェイズ」シリーズで人気を博し、アカデミー賞受賞作「ベルファスト」(2021年)も高く評価された。ドラマ出演作に「THE FALL 警視ステラ・ギブソン」(13~16年)など。
【放送情報】
「ザ・ツーリスト 俺は誰だ?」(全6話)
スターチャンネル1
8月8日スタート
月曜 午後11:00~深夜0:15ほか(字幕) ※8月7日に第1話先行無料放送
オーストラリア奥地の広大な砂漠を抜ける道路を運転していた“男”(ジェイミー・ドーナン)が事故に遭い、すべての記憶を失ってしまった。彼は自分の記憶をたどるため、病院を抜け出しバスに乗り込んであるレストランに向かうが…。
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