漫才師・ストレッチーズが「ツギクル芸人グランプリ」優勝! 上島竜兵さんから激励「お前は売れる」【優勝会見リポート】2022/05/24
日本音楽事業者協会とフジテレビがタッグを組んで開催するお笑いコンテスト「ツギクル芸人グランプリ2022」の決勝大会が5月21日に東京・台場のフジテレビにて行われ、太田プロダクション所属のコンビ・ストレッチーズ(福島敏貴、高木貫太)が3代目王者に輝いた。
決勝大会に登場したのは、キュウ、サスペンダーズ、さんだる、Gパンパンダ、10億円、ストレッチ-ズ、ゼンモンキー、竹内ズ、TCクラクション、ネギゴリラ、ハナイチゴ、パンプキンポテトフライ、ママタルト、森本サイダー、わらふぢなるおの15組。A、B、Cの三つのブロックで争い、ファイナルステージにはストレッチーズ、Gパンパンダ、ネギゴリラの3組が進出。コントを披露したGパンパンダ、ネギゴリラを打ち破り、漫才で挑んだストレッチーズが大会を制した。
放送終了後、取材に応じた2人。「囲み取材というものを受けるのは初めて」と緊張した様子を見せながらも、今後の目標などを力強く口にした。
「この2本をぶつければ、優勝できるんじゃないか」
――優勝おめでとうございます。今の率直なお気持ちを教えてください。
福島 「この大会が、第1回、第2回と続けてコント師が優勝していたので、漫才で勝つのは難しいのかなという思いもありました。でもやっぱり漫才で戦いたいと思い、一番強いネタを二つ持ってきました。今は『優勝できたんだ…!』とびっくりしています。うれしいです!」
高木 「『優勝は、ストレッチーズ!』と言われた時は、何のことかあまりよく分かっていなくて…。今“囲み取材”というものを初めて受けているんですけど、『なんか、ちょっとだけ芸能界に入っていっている感じがするぞ!?』って実感しています。ふふふ(笑)」
――今日の決勝に向けて、どのような準備をされましたか?
高木 「今日やった2本のネタは、めちゃめちゃ2人で仕上げたというか。『ほかにこういう展開はないか』とか、『ほかにこういうボケはないか』『いらない言葉はないか』というのを、すでにかなりそぎ落とした状態で持っていたネタだったので、この2本をぶつければ『ツギクル芸人グランプリ』も優勝できるんじゃないかという心づもりでした。なので『大会でかけたいネタを2本できた!』という感じです」
福島 「1本目でやったネタは、昨年の『M-1グランプリ』の予選でやったネタなんです。その動画がサイトにアップされていたんですけど、それがそこそこウケてくれていて。その動画を保存していたので、昨日の夜はそれを見て、ちゃんとネタを忘れないようにしたのと、ウケた感じを思い出して『大丈夫、ウケてる!』って自分に言い聞かせていました」
――前日はどのように過ごしましたか?
福島 「前日はリハーサルで。リハーサルも緊張しました。実際にセットに立つと、『あー、明日ここでやるんだ』って。緊張してしまいました」
高木 「さすがに緊張しましたね。普段、こんなに照明の多いところに来ることがないので。普段、薄暗いところにいるので(笑)。リハも緊張しましたし、本番で審査員の方や爆笑問題さんがいらっしゃって、より緊張しました。でも、程よい緊張感でできました。前日はよく食べて、よく寝て」
福島 「出番前に、喫煙所で爆笑問題の太田(光)さんにごあいさつさせていただいたんです。『ストレッチーズの福島です』って言ったら、『クソレッチーズ?』って言っていただいて。『あっ、違います。ストレッチーズです』っていうやりとりをさせていただいて、ちょっと和らいだというか。本番前に笑わせていただいたので、少しリラックスした気持ちでネタができました」
――優勝賞金100万円の使い道は?
福島 「今年、僕はアルバイトを辞めたいなと思っていて。お笑いに集中するために使いたいなと思っています」
高木 「ほぼ右に同じなんですけども、もし余れば、格好いい自転車がほしいです(笑)。都内の移動が多いんですけど、使っていたママチャリが壊れてしまって。でも、お金がなくて買えなかったので、格好いいチャリがほしいです」
――ちなみに、どんなアルバイトをされているのですか?
福島 「医学部専門予備校で、予備校のチューターをやっています。週に2回くらい、ずっとやっています」
高木 「僕は工事現場の警備員です。『すみません、ここ通れないんで、迂回してください!』の人をやっています(笑)。誘導棒で回しています」
「賞金で上島さんの大好きな黒霧島を買って、乾杯しに行きたいです」
――2012年、慶応義塾大学在学中に「大学生M-1グランプリ」で優勝。それから約10年がたち、この「ツギクル芸人グランプリ」で優勝となりました。大学卒業後「芸人になる」という決断に対し、ご家族の反応はいかがでしたか?
福島 「両親からはいまだに反対されているんです。実家に帰るたびに『いつ辞めるんだ』と言われていて。最初、大学を卒業して『芸人になる』と伝えた時も、『絶対やめてくれ』と猛反対されて。この優勝を喜んでくれたらいいなと思います」
高木 「僕は、今は母親も父親も応援してくれてるんですけど、大学を卒業して、就職するか、芸人になるかというタイミングで、母親からめちゃくちゃ反対されて。8回くらい家族会議をしまして、8回泣かれて、やっと許してくれたというか。最初のうちはややしかめっ面だったんですけど、諦めてくれたのか、“売れる”にギリギリ、betしてくれてるのか分からないんですけど、今は応援してくれてると思います。たぶん(この放送も)見てくれてると思います」
――目標としてきた芸人さんはいらっしゃいますか?
高木 「2人でよく『好きだね』と話しているのはオードリーさんです。ラジオもよく聴いています。『M-1グランプリ』などでの活躍を拝見していて、“最初に漫才で売れた人”という印象があるので、『僕たちもそういうふうになれればいいね』と話しています」
――お二人が所属する太田プロダクションでは、いかがですか?
福島 「ダチョウ俱楽部の上島竜兵さんに一番お世話になっていて、僕らは“最後にかわいがってもらっていた後輩”だったと思います。太田プロに入ってからずっと、一緒に飲ませていただきましたし、上島さんを目標に、憧れて、尊敬して頑張ってきました。会うたびに『お前は売れる』『今はネタを頑張れ』とすごく励ましの言葉をいただいたので、今は『大会で優勝しました』ということを伝えたいですし、賞金で上島さんの大好きな黒霧島を買って、乾杯しに行きたいです」
――優勝特典として民放5局の番組出演権の贈呈もありましたが、今後出演したい番組はありますか?
高木 「いっぱいやりたいネタがあるので、いろんなネタ番組に出たいです」
福島 「僕らが高校、大学の同級生で、ずっと友達なんですけど、高校の時に、ずっと『ハモネプ(ハモネプリーグ)』の話をしていて」
高木 「(吹き出して)ふふっ(笑)」
福島 「『ハモネプ見た?』『もちろん!』って話していたんです。今でも好きでずっと見ている番組なので、『ハモネプ』に出たいですし、学生や子どもたちが頑張る姿を見て一緒に応援したいという気持ちがあるので、ネタ番組以外だとそういう番組に出演してみたいです」
高木 「『ハモネプ』はもう“ネプ”が付いてるから無理じゃない?(笑)」
「M-1グランプリ」に向けての決意
――漫才を強みとするお二人。「M-1グランプリ」への目標は?
福島 「今年優勝します!」
高木 「『ツギクル芸人グランプリ』も、決勝に出れるだけでうれしいというか。あまり現実味を帯びていなかったんですけど、今こうして優勝したという事実を実感すると、めちゃくちゃ年末の『M-1』に風向きがいいなと思います」
――自分たちのネタにおいて、意識しているのはどのような点でしょうか?
高木 「内容でいうと、わりと“あるある”というか。日常会話で起きうるすれ違いなどの“あるある”を誇張して、そこを入り口にしています。今回披露した2本も、そういう感じのネタになっていると思います。ただ、それだけにならずに、何個か展開があるネタが2人とも好きなので、一辺倒にならないようにして。動きが加わってきたり、攻守が逆転するなどして、展開が出るネタにしようというのは念頭に置いています」
福島 「(自分たちは)こういう感じで、はっきりしたキャラクターとか“色”みたいなものがないので、テレビ番組を作っている方々からすれば『どういうキャッチコピーを付けたらいいんだろう』って感じだったと思うんです。だからこういう大会で優勝することで、一つ肩書きができたのかなと思います」
高木 「今日のキャッチコピー見た? “どこまでも突き進む漫才道”だったよ」
福島 「ははははは!(笑)」
高木 「キャラなさすぎ!(笑)」
福島 「これが“ツギクル芸人グランプリ優勝”になれば、少しは使ってもらいやすくなるのかなって。でも、ほかの賞レースでも優勝したいという気持ちが強いです!」
高木 「はい!」
――今日、家に帰ったらまずしたいことは何ですか?
高木 「家帰ったらというより、まずタバコを吸いたいですね。一旦(笑)」
福島 「はい。家帰っても吸います!(笑)」
【プロフィール】
ストレッチーズ
福島敏貴(1992年3月19日生まれ、埼玉県出身)と、高木貫太(1991年7月24日生まれ、埼玉県出身)が埼玉県立浦和高等学校で出会い、ともに慶応義塾大学に入学。2012年、「ストレッチーズ」として出場した「大学生M-1グランプリ」で優勝。14年、コンビ結成。現在、ラジオアプリGERAで「ストレッチーズのプリ右でごめん」が毎週水曜に最新回配信中。ニコニコ生放送で「ストレッチーズの恋のダンクシュート」が毎月第3水曜に配信中。
【番組情報】
「ツギクル芸人グランプリ2022」
フジテレビほか
TVer、FODで見逃し配信中
MC:爆笑問題(太田光、田中裕二) 進行:三田友梨佳フジテレビアナウンサー
取材・文・撮影/宮下毬菜(フジテレビ担当)
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