「17才の帝国」で総理大臣を演じる神尾楓珠&補佐役の山田杏奈が一番苦労したこととは?2022/05/13
最先端のAIに総理大臣として選ばれた17歳の高校生が、衰退しかけていた地方都市を実験都市・UA(ウーア)として生まれ変わらせていく青春SFエンターテインメントがNHK総合でスタート!
実験都市・ウーアを統治するメンバーとしてAI・ソロンに選ばれたのは、総理大臣・真木亜蘭(神尾楓珠)、厚生文化大臣・林完(望月歩)、財務経済大臣・雑賀すぐり(河合優実)、環境開発大臣・鷲田照(染谷将太)の4人。そこに補佐役として真木から推薦された茶川サチ(山田杏奈)が加わることに。彼らは全員25歳以下の若者で、総理に至っては17歳の高校生。そんな彼らを内閣官房副長官の平清志(星野源)がプロジェクトマネジャーとしてサポートしていきます。
真木はウーアが始まると市議会廃止を提案。さらに、支持率が30%を切ったら辞任すると宣言したのです。就任早々、波乱含みの“真木内閣”は今後どうなっていくのでしょうか? 今回は真木を演じる神尾楓珠さんと、真木に憧れ補佐役になる茶川サチ役の山田杏奈さんに、それぞれの人物像や撮影エピソードを伺いました!
――17歳の高校生が総理大臣に選ばれるという斬新な物語ですが、話を聞いた時はどう思いましたか?
神尾 「台本が届く前に拝見した企画書に総理大臣と書いてあって、『えっ!?』って思わず声に出してしまいました。きっと、セリフが多くてセリフ地獄になるんじゃないかと想像し、知らない言葉や難しい言葉も出てくるに違いないと思って、『終わった』と絶望しました(笑)」
山田 「楓珠くんと共演するのは4回目なので、『楓珠くん、今度は総理大臣か~』と(笑)。AIの知識があれば若者でも政治を動かせるんじゃないかという題材自体がものすごくチャレンジングで、面白いと思いました」
――真木とサチはどんな人物なのでしょうか?
神尾 「過去にいろんなことがあった真木は、熱い思いがある人物。過去の経験があるからこそ、自分が社会を変えたいという気持ちを強く持っています。そして、今まであまり人と関わってきていない部分もあるので、今後“ウーア”の住人たちと関わっていくうちに、人との関わり方を見いだしていく役柄でもあります」
山田 「サチは政治に興味がある高校生で、勉強している中で総理の補佐官になる役ですが、官邸のメンバーの中では知識が豊富にあるわけではありません。1人の女の子としての感性で発言をして物語を動かしていく役なので、そこが面白いです」
――実際、撮影をしてみて手応えはありましたか?
神尾 「撮影をしている時は正直、手応えがなかったんです。AI・ソロンと会話をするシーンも、実際の現場ではソロンがいない状態で撮影していたので、どういうものになっているのか全然分かってなかったし、真木という役もつかむのが難しくて。第1話で真木はこんな人だろうとイメージしていたら、第2話では真木の新たな一面が見えて…。それを1人の人物としてうまく演じるのが難しかったです。だからこそ、撮影が終わった時はやり切った感じがありました。完成した第1話を見た時に、とても面白くなっていたので良かったと安心しました」
山田 「私も撮影中は、どんなふうに映像がつながるのか全くイメージできていませんでした。でも、第1話を見たら映像や音楽がとても格好良くて。物語は数年後の未来でAIが頻繁に出てくるんですが、それがすんなりと受け入れられる世界観で面白かったです」
――もし現実にドラマのようなことが起きたら、17歳の高校生は政治をできると思いますか?
神尾 「僕が17歳だった時に周りにいた人たちだったらできないと思います(笑)。若い時から政治に興味を持っていて、ちゃんといろいろ考えている人だったら、総理大臣や役職に就くのは難しいかもしれないですが、人員として参加するということはできるんじゃないでしょうか」
山田 「今回はAIの知識や膨大なデータの力を借りて若者が政治をしていく設定だったので、そういう形でならできる気がします。ただ、年代によって問題が違うので、17歳だけではなく各年代から人々を抽出した方が、いろんな価値観が入ってきて物事が動いていくと思います」
――今作は長崎・佐世保でロケをされたそうですね。その思い出と、ドラマのオープニングでも登場する針尾無線塔を見た感想を教えてください。
神尾 「佐世保がめっちゃ好きになりました」
山田 「住みたいって言ってたよね?」
神尾 「そう。住むなら佐世保だなと。商店街にいろんなお店があって過ごしやすく、皆さんがとても温かかった印象です。針尾無線塔は思ったより大きくてびっくりしました。圧倒的な存在感で、ドラマのシンボルとしてすごくふさわしいと思いました」
山田 「第1話で最初に針尾無線塔3本が立っているのを見て、『この風景がなかったら、このドラマができていないな』と感じました。そこで作品を作らせていただけたことが本当にありがたいなと思いましたし、かなり前に建てられたものだということでしたが、未来感を感じるビジュアルでとても感動しました」
――政治を担う若者役は難しそうだなと感じたのですが、演じるにあたって苦労されたことはありましたか?
神尾 「正直、最初から最後までずっと苦労していました。特に演説のシーンは一番難しかったです。独裁者っぽい感じや改革を今からするぞという雰囲気もありつつ、根は人前に立つのが苦手な役でもあるので、少し緊張しているようにと心掛けました。強く見えなきゃいけないけど、根に弱さがあるので、そのバランスが難しかったです。演説のシーンは毎回“しんどいな”と思いながらやっていました」
山田 「賢くて落ち着いている閣僚たちの中で、サチは1人等身大で、静と動でいうと動の役割を担って動かしていくんです。だからパワフルさを常に出していかなくてはとずっと考えていて、そこに苦労しました。力強さみたいなものは意識してやっていましたね」
――そんな中でどんなシーンが印象に残っていますか?
山田 「佐世保のロケで、海を見ながら2人で話しているシーンを撮影している時に、とても風が強い日があって、楓珠くんが飛ばされそうだったんです(笑)。私もふらつきながらお芝居をしていたので、ものすごく印象に残っています」
神尾 「風が強くて…(笑)。自分よりもカメラとか機材の方が心配でした」
山田 「照明とかも心配だったよね」
――先ほど、4回目の共演とおっしゃっていましたが、今回の共演はいかがでしたか?
神尾 「4分の3、僕の役が暗いんです(笑)」
山田 「確かに(笑)」
神尾 「それで杏奈ちゃんの役が明るいという」
山田 「私はずっと楓珠くんのことが好きな役ばっかりですね(笑)」
神尾 「今回は近いようで近くない関係でしたが、杏奈ちゃんがこういうことを考えているんだろうなとか、次はこうしようとしているんだろうなと分かるので、距離感も測りやすく、やりやすかったです」
山田 「前に共演した作品も今回も、すごく明るくてワイワイしていて、楓珠くんが演じる役に好意を抱いているので、面白いご縁だなと思いました。楓珠くんをすごく信頼しているので、現場では落ち着いて心地よくお芝居させてもらいました」
――では、官僚役の染谷さんや望月さん、河合さんたちとはどんな雰囲気で撮影されていたのでしょうか?
神尾 「ムードメーカーみたいな人はあまりいなかったですね。僕は普段は違うんですが、今回は役に引っ張られすぎちゃって、待ち時間でもずっと1人でポツンとしていました(笑)」
山田 「仲が悪いとかではないんですけど、同じ空間にいても個々にいる感じでした(笑)」
――25歳以下の若い官僚たちを支えていく、平役の星野さんとの共演はいかがでしたか?
神尾 「源さんはいい意味で気を使わせないようにしてくれて、僕らが気張らずに自然体でいられるような現場にしてくださっていた印象があります。無理に話さなきゃいけない雰囲気を作る方ではなかったので、芝居に集中できました」
山田 「お会いする前はすごく緊張していたんですけど、楓珠くんが言っていたように、星野さんご自身がいつも見守ってくれている平さんのポジションにいてくださったので、会話をたくさんするわけではなかったですが、安心感がありました。一度、星野さんに『音楽のお薦めある?』と聞かれた時は、『どう答えればいいんだろう?』とすごく震えました(笑)。でも、そういうたわいもない話も気軽にしてくださって、とてもすてきな方でした」
――平のような大人についてどう思いますか?
神尾 「平は自分の気持ちを押し殺して仕事をしていて、すごく責任感があるじゃないですか。そういう人は結構いると思うので、その世代の人は共感できるんじゃないでしょうか」
山田 「私も平さんみたいな人が近くにいてくれたら、すごく楽しいだろうなと思いました」
神尾 「自分たちより下の年齢、ましてや17歳を信頼するって相当難しいことだと思うんです」
山田 「何かあったら自分の責任になるわけだし、すごいなと思います」
――作中で「間違っていることを間違っていると言わない大人になりたくない」というセリフがありますが、お二人はどんな大人でいたいですか?
神尾 「新しい価値観を受け付けない人にはならないようにしたいです。例えば、年を重ねた時に、スマホよりもさらにすごい携帯が出てきた場合に、『そんなの使えない』と拒まないとか。若者の文化もちゃんと理解できる人になりたいですね」
山田 「私も成人して考え方が変わってきていて、こういう大人になりたくないというより、大人になりつつあるので…。中高生の時には、こういう大人になりたい、なりたくないという思いや考えがあったので、そういう気持ちを大人になっても忘れないようにしたいです」
――ありがとうございました!
第2話あらすじ(5月14日放送)
17歳の“総理”・真木の新しい政治に、既存勢力の怒りが爆発。前市長の保坂重雄(田中泯)は市議会復活を直談判するが、真木は権威に屈しない。その後、街に出て住民の声を聴いた真木は、商店街の再開発に反対する鈴原(塚本晋也)の「一度失われた風景は取り戻せない」という言葉に感動し、“ウーア”の未来を住民投票で問い掛けることに。AIを駆使し、少年のような純粋さで政治を行う真木の姿に、平は徐々にひかれていく。真木のピュアな志の原点には、孤独な生い立ちから来る社会への怒りがあった。
【番組情報】
土曜ドラマ「17才の帝国」
NHK総合
土曜 午後10:00~10:49(全5回)
NHK担当 K・H
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