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中西圭三の日課は朝の散歩!芸能生活30周年につながっている“原点”とは?2022/04/01

スペシャルインタビュー/中西圭三(旅番組「中西圭三の朝ぶら散歩」)

 シンガー・ソングライターの中西圭三が、夜が明けるころからの朝の街を歩いてめぐる人気旅番組「中西圭三の朝ぶら散歩」(旅チャンネル)。「自分も夜型の生活から、朝型の生活に替えようか?」――そう思うぐらい、同番組は朝の爽やかな空気と気持ちいい太陽、そしてまだ人が動き出す前の時間の意外な発見を届ける。

 そして、このほど、番組30回と中西の芸能生活30周年を祝して「中西圭三の朝ぶら散歩 特別編」の放送が決定。中西に朝の散歩の極意から芸能生活30周年まで、さまざまな話を聞いた。

── ミュージシャンというお仕事は、断然、夜型をイメージしてしまいます。でも、中西さんはこの番組を始める前から朝の散歩が日課だったとお聞きしました。

スペシャルインタビュー/中西圭三(旅番組「中西圭三の朝ぶら散歩」)

「はい。番組を始める前から朝の散歩が日課になっていました。でも、以前はミュージシャンのイメージを裏切ることなく、完全な夜型の生活で(苦笑)。夜にレコーディングをして、朝方に帰ってそこから寝て、また夕方ぐらいにスタジオへ、みたいなサイクルの生活を長らく続けていました。朝型に変わったのは、今から10年ぐらい前。海の見えるエリアに引っ越して、自然と朝日が昇るのを見に行くようになり、気付けば朝の散歩が日課になっていました。今では僕の中で欠かせない日課になっています」

── とはいえ、番組は夜明け前からだいたい始まっています。ほぼ夜中といっていい早朝からのロケは大変ではないですか?

スペシャルインタビュー/中西圭三(旅番組「中西圭三の朝ぶら散歩」)

「実は、全然苦ではないですよ。というのも、朝の散歩を始めてしばらく経ってから、夜明けぐらいになると自然と目が覚めるようになったんです。自慢ではないんですけど、ここ何年か、目覚まし時計をかけたことがない。朝寝坊もしたことがない。まあ、年のせいかもしれないんですけど(笑)。だから、『朝ぶら散歩』のロケも、僕からすると普段通りの朝を迎えている感じなので、日常の延長線上のようなので、全く苦がない。むしろ、スタッフがきついんじゃないかと思います」

── 番組で、朝の町を散策する際、心がけていることはありますか?

スペシャルインタビュー/中西圭三(旅番組「中西圭三の朝ぶら散歩」)

「僕はプロのリポーターでもないし、町歩きの達人でもない。なので変にうまく伝えようとしないというか。番組では、自身が感じたことを素直に言葉にして伝えていくことを心がけています。これまでの経験から、曲作りもそうなんですけど、たとえば少しでもカッコよくしようとか、変に小細工するとボロが出る。自分の感じたことをそのまま素直に出した方が、うまくいくことが多い。ですから、背伸びしないで、自分がその時、その場所で、その人と向かい合って感じたことをそのまま素直に言葉にして伝えることを心がけています。見てくださった方に、朝のすがすがしさ、日の出の美しさ、その町の空気や流れている時間が感じられるように届いてくれたらうれしいです」

── 番組は回を重ねて30回を迎えたわけですが、中西さんの中で大きく変化したことはありましたか?

スペシャルインタビュー/中西圭三(旅番組「中西圭三の朝ぶら散歩」)

「人に声をかけられるようになりました。僕はどちらかというと人見知りの方なので、見ず知らずの人に声をかけるなんて『無理!』と思っていたんですよ。でも、スタッフに求められたわけではないのですが、番組として考えた時、その町の人を抜きにしては成り立たない。それで、初めは恐る恐るでしたけど、町の人に声をかけるようになりました。すると意外と皆さん快く気さくにいろいろと応じてくださる。実際に町の人と話すと、その町に触れた気がして、愛着が湧くんですよね。気付けば、自然と出会った人に声をかけられるようになっていました。『僕って、こんなに社交的だったっけ!』と自分でもびっくりしています」

スペシャルインタビュー/中西圭三(旅番組「中西圭三の朝ぶら散歩」)

── 特別編では思い出の地という福島県の天栄村を訪れています。どのような思い出が?

「訪れたのはかれこれ20年前ぐらいになります。曲作りに打ち込むために訪れたんですけど、結局、曲は1曲も書けずじまい。その一方で、もう一目ぼれで土地を衝動買いしてしまったんですよ。今回は、その場所にも訪れ、その時お世話になった不動産屋さんのご主人にお会いしていたりもするので、どんなことになるのか期待してください」

── 今、こうして町歩きの番組を担当されていますが、そもそも町歩きは好きだったんですか?

「実は、今回の特別編でも明かしているんですけど、僕は若き時分、ミュージシャンになることを夢見る一方で、不動産業にも興味があって、ちょっと就職も考えていたんですよ。不動産の売買というよりも、学生の頃から、町づくりにすごく興味があったんです。ですから、学生時代は、某有名な地図関連の会社でアルバイトをしていて。地図を片手に町を歩きながら『このお店がなくなっている』とか『ここに新しく何ができた』とか調べて回る仕事をしていました。当時から、町歩きが大好きだったんです。それがめぐりめぐって今散歩番組をしているんですから、人生って面白い。自分の原点にめぐりめぐって戻った感覚もあって、この番組には縁を感じるし、これからも続けていけたらなと思っています」

スペシャルインタビュー/中西圭三(旅番組「中西圭三の朝ぶら散歩」)
スペシャルインタビュー/中西圭三(旅番組「中西圭三の朝ぶら散歩」)

── 今回は芸能生活30周年を記念しての特別編でもあります。一言では言い尽くせないと思うのですが、どう振り返りますか?

「恵まれた道を歩めてきたなと思います。さきほど原点という話になりましたけど、自分にとって原点と思えるものが、うれしいことに長く愛される作品になっているんですよね。僕がミュージシャンとして世に知られることになった1曲『Choo Choo Train』は、ZOOからEXTLEへと引き継がれて今も多くの人に愛されている。それから、さきほど街づくりに興味があったといいましたけど、同じく子どもに夢を与えられるようなことをしたくて、ディズニーランドでアルバイトをしていたこともあったんです。それも一つの原点といっていいんですけど、不思議なことにNHKの教育番組『おかあさんといっしょ』の体操の曲『ぱわわぷ体操』を歌うことになって。この曲も多くの子どもたちに長く愛されるものになってくれている。そして、町歩きも一つの原点で、今こうして番組をもたせていただいている。本当に恵まれてここまできたなと思います。これまでのことを大切にしながら、これからも音楽活動を、この『朝ぶら散歩』も頑張っていきたいと思っているので、よろしくお願いします」

【プロフィール】

スペシャルインタビュー/中西圭三(旅番組「中西圭三の朝ぶら散歩」)

中西圭三(なかにし けいぞう)
1964年11月11日、岡山県生まれ。91年3月にデビューし、シンガー・ソングライターとして活躍。「Choo Choo TARIN」や「ぼよよん行進曲」など、楽曲提供も多数行っている。

【番組情報】

「中西圭三の朝ぶら散歩 特別編」 
旅チャンネル 
4月9日 午後1:00~1:30 
4月24日 午後10:00~10:30

中西圭三が夜明け前から早朝の街を散歩しながらその魅力を届ける人気番組「中西圭三の朝ふら散歩」の特別編。福島県天栄村を訪れ、思い出話に花を咲かせる。ほかにも、大内宿などを散策する様子を前・後編でおくる。番組では自身の芸能生活30周年を記念した特別楽曲も披露する。

取材・文/水上賢治 撮影/草刈雅之



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