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「錆喰いビスコ」鈴木崚汰&花江夏樹 インタビュー2022/03/23

「錆喰いビスコ」鈴木崚汰&花江夏樹 インタビュー

鈴木「花江さんが隣にいてくださる存在感や安心感は、最終回のアフレコまでずっと変わらなかったですね」

花江「もうこれは安心して座長を任せられるなと、頼もしさを感じましたね」

「このライトノベルがすごい!2019」で、文庫部門【総合・新作】においてダブルで1位に輝く快挙を達成した、瘤久保慎司による小説「錆喰いビスコ」。映像化を待望されていた話題作がアニメ化され、現在TOKYO MXほかにて放送中だ。舞台は、人も物も錆びつかせる“錆び風”が吹き荒れる架空の日本。弓矢を使い、キノコをどこにでも“咲かせる”ことができる“キノコ守り”の少年・赤星ビスコと、少年医師・猫柳ミロが出会い、すべての錆を浄化するキノコ“錆喰い”を探して冒険を繰り広げる。旅を通じて絆を深め、唯一無二のバディとなっていくビスコとミロを演じているのは、鈴木崚汰と花江夏樹。いよいよ3月28日に最終回を迎えるということで、終盤にかけて最高潮の盛り上がりを見せている本作での役柄、ベテラン声優も集ったアフレコ現場の雰囲気、そして2人でやってみたいことまでをたっぷり聞いた。

――まずは、本作のご出演が決まった時のお気持ちを振り返っていただけますでしょうか。

鈴木 「ビスコ役は、オーディションで選んでいただきました。オーディションを受ける際に原作の小説を読み、少年漫画のような熱さがある作品だなと思いましたね」

花江 「世界観がすごく面白いですよね。エスカルゴやサイが乗り物になっているファンタジーな部分がある一方、日本に実在する地名が出てきてリアリティーを感じさせていて…。その世界観の中で、ビスコとミロの熱いやりとりが展開したり、戦闘があったりするのは、この作品でしか出せないオリジナリティーですよね」

――ビスコ役が鈴木さん、ミロ役が花江さんと知った時はいかがでしたか?

鈴木 「相棒役が花江さんと聞いて、何も心配することなくやれるなと思いました。思いっ切り演じれば、花江さんも付いてきてくださるし、僕も付いていけるんじゃないかと」

花江 「鈴木くんとは何度か共演したことはあるけれど、ビスコみたいなタイプのキャラクターを鈴木くんが演じるケースは初めて。どうなるか想像がつかなかったですね。とはいえ、心配というよりも、楽しみな部分が大きかったです。アフレコ現場で実際に鈴木くんが演じるビスコを聞いたら、イメージ通り。さすがオーディションで選ばれただけあるなって(笑)」

鈴木 「一応、オーディションで選んでいただきました(笑)」

花江 「もうこれは安心して座長を任せられるなと、頼もしさを感じましたね」

――ビスコとミロは、それぞれどんな役柄でしょうか。また、お互いのキャラクターや、お芝居についての感想を教えてください。

鈴木 「ビスコは最強の“キノコ守り”。その根底にあるのは、師匠であり、父のような存在でもあるジャビ(斎藤志郎)を救いたいという思いです。荒々しいけれど、ふとした瞬間に年相応の少年らしい顔を見せることもあって、そのギャップを出すため、実は原作よりも口調を荒くしているんです。それを原作者の先生も監督も受け入れてくださって、ありがたかったですね」

花江 「ビスコは荒々しさをすごく感じさせるけど、その裏に、“キノコ守り”としての使命が見え隠れしています。そこをどういうバランスで伝えていくのかが難しいキャラクターですよね」

鈴木 「それと、ビスコは最強なので、物語の中で大胆な成長が見えるわけではないんですね。それに比べるとミロは、最初は街のお医者さんだけれど、錆に侵された姉の猫柳パウー(近藤玲奈)を救うため、ビスコと共に旅に出ざるを得なくなります。ビスコと一緒にいることによって、自身も“キノコ守り”として成長していくキャラクターなんです」

花江 「ミロは周りに流されるところもあるけれど、その根底にあるのは、医師として人の命を救いたいという思い。それは意識して演じました」

鈴木 「優しいけれど、すごく強い心を持っているキャラクターですよね。言葉を選ばず言うと、一見、なよっとしているように見えるけれど、相手に強く言う時は言う。僕から見ると、ミロらしさを残しつつ、その強さの調節をするのが難しそうだなと思いました」

花江 「旅を共にする中で、ビスコがミロに、何かをキツく言うシーンもあります。でも、鈴木くんが演じるビスコは、口調に圧はあるんですけど、嫌みっぽくは聞こえない。それは、裏に隠れている感情が分かるようなお芝居だからだと思うんです。そこはなかなか、僕には出せないかもしれないな…」

鈴木 「何をおっしゃいますか! 花江さんが隣にいてくださる存在感や安心感は、最終回のアフレコまでずっと変わらなかったですね。花江さんが頼もしくいてくださったから、ビスコが感情を爆発させるシーンでも、臆することなく爆発できました」

――演じるキャラクターとご自身が似ているところはありましたか?

花江 「僕とミロは、あまり似ていないですね。ミロはお医者さんとして、困ってる人がいたら誰にでも手を差し伸べてあげます。けれど、僕だったら、知っている人だけでいいかなって思っちゃいそう(笑)」

鈴木 「普通はそうですよね。ビスコは、失礼なことに対してキレるんです。そこは何となく似ているかなと思います。例えば、2話(1月17日放送)で、関所の番人・イノシゲ(稲田徹)に名前をバカにされ、『ゴメンナサイと言いやがれェッ』とブチ切れますが、やっぱり礼儀は大事だなって(笑)」

――アフレコ現場の雰囲気はいかがでしたか? また、ジャビ役の斎藤志郎さん、ビスコとミロにとって敵にあたる黒革役の津田健次郎さんとの共演はいかがでしたか。

鈴木 「アフレコは熱かったですね!」

花江 「津田さんは、敵対している黒革を演じていらっしゃるわけで…。やっぱり恐ろしいというか、聞いていて、“おお!”っと思うところがありましたね。“負けないようにしなきゃ”という対抗心みたいなものが湧き上がりました」

鈴木 「津田さんは、ビスコが思わずカチンとくるようなお芝居をしてくださったので、僕もキレやすかったです」

花江 「志郎さんは、演じていらっしゃるジャビそのままの雰囲気の方。おちゃめで、現場をすごく明るくしてくださるんです」

鈴木 「志郎さんの出す、シャビのひょうひょうとした雰囲気には助けられましたね。そのお芝居があるから、『もっと真剣に考えてくれよ』と訴えるビスコのマジメな精神がかき立てられたというか…」

――エンディングでは、お二人がビスコとミロとして歌う「咆哮」が流れています。

鈴木 「レコーディングでは、僕が最初に録って、花江さんが次の時間帯に入って録りました。曲調自体は、冒険の雰囲気が強く出たもの。エンディングっぽくないエンディングですね。“ビスコならどう歌うんだろう”と考えたら、とにかくがなる感じかなと。タイトルも『咆哮』なので、魂のシャウトというか、そんな雰囲気で歌いました」

花江 「ビスコの歌い方はすごく荒々しくて、キャラクターソングらしさが出ていましたよね。ミロとしては、そのビスコとバランスが取れるといいなと思いながら歌いました」

――錆が吹き荒れ、その治療法が求められていたり、本来は錆を浄化するために活動している“キノコ守り”が、逆に錆を広めているなどと言われる偏見もあります。劇中の世界は、どこかコロナ禍と重なるところがあるように思いましたが、いかがですか?

花江 「5話(2月7日放送)で、ミロたちが、子どもがたくさんいる漁村に行きますよね。『薬がない』とみんな困っている姿は、現実と重なる部分があるのかなと思いましたね」

鈴木 「ただ、現実には、コロナを悪用しようとする人はいないと思います。みんな、“コロナをどうにかしよう”と考えています。もしこの作品に出てくる黒革のように、コロナを広めて、それを利用しようとする人がいたら…。しかも、その人間だけがワクチンをたくさん持っていたら…。すごく怖いなとは思いましたね」

――では最後に、ビスコとミロは旅をしますが、もし鈴木さんと花江さん、お二人で何かをするなら?

花江 「温泉旅行かな。鈴木くん、お風呂が好きだよね」

鈴木 「家では、入浴剤に癒やされています(笑)」

花江 「やっぱり濁り湯がいいかな。温泉を濁らせましょう(笑)!」

鈴木 「濁り湯の名湯に行きましょうよ(笑)。僕はまだ、あまりいろいろな地方へ行ったことがなくて…。おすすめの温泉を教えてほしいです」

花江 「温泉街に行っていろいろな湯に浸かるような、温泉巡りがいいかもしれないね」

「錆喰いビスコ」鈴木崚汰&花江夏樹 インタビュー

【プロフィール】

鈴木崚太(すずき りょうた)
12月22日、愛知県生まれ。山羊座。O型。4月8日スタートのアニメ「かぐや様は告らせたい-ウルトラロマンティック-」(TOKYO MXほか)、22年夏には「テレビスペシャル『Dr.STONE 龍水』」、23年には「『Dr.STONE』第3期」に出演。

花江夏樹(はなえ なつき)
6月26日、神奈川県生まれ。蟹座。B型。4月2日スタートのアニメ「ラブオールプレー」(日本テレビ系)、4月14日スタートの「サマータイムレンダ」(TOKYO MXほか)、4月1日公開の映画「オッドタクシー イン・ザ・ウッズ」で主演。

【作品情報】 

「錆喰いビスコ」鈴木崚汰&花江夏樹 インタビュー

「錆喰いビスコ」(終)
3月28日
TOKYO MXほか
深夜0:30~1:00
※地域により放送時間が異なります

舞台は人も物も錆びつかせる“錆び風”が吹き荒れる日本。すべての錆を浄化する霊薬キノコを探す“キノコ守り”の少年・ビスコ(鈴木)と美貌の少年医師・ミロ(花江)は、愛する者を救うため冒険に出て、絆を深めていく。危険な目に遭い続けてきた冒険の行方は!?

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取材・文/仲川僚子 撮影/為広麻里



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