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「相棒」300回記念…川原和久&山中崇史を直撃! 長く続きすぎて捜一コンビは感覚が“まひ”!?2018/01/31

「相棒」300回記念…川原和久&山中崇史を直撃! 長く続きすぎて捜一コンビは感覚が“まひ”!?

 警視庁特命係の杉下右京(水谷豊)が、4代目の“相棒”である冠城亘(反町隆史)とコンビを組んで難事件の謎を解き明かすドラマ「相棒」(テレビ朝日系)。2000年6月に「土曜ワイド劇場」での単発ドラマとしてスタートして以来、17年の年月を経て、1月31日に300回目となる放送を迎えます! 同シリーズで捜査一課の刑事として登場するのが、捜査権のない特命係の介入を疎ましく思っている伊丹憲一(川原和久)と、余計なことを口にしてしまい特命係に情報提供をしてしまう芹沢慶二(山中崇史)。300回を記念し、その捜査一課の2人に直撃取材しました! 事件捜査の最前線に立つ役どころのお二人に、思い出のシーンや特命係との距離感などについて伺いました。

──300回を迎えることについて、率直なお気持ちを教えてください。

山中 「最初300回って聞いた時に、あまりそのすごさがピンとこなかったんですね。だけどよくほぐして考えたら『あれ、待てよ。とんでもないことだぞ!』って思い直しましたね。それくらい、簡単には想像できないような偉業なんだろうと、そこに自分がいるのはとても幸せだなと感じますね」

川原 「同じですね。数の単位って実感的じゃないというか、あまりピンとこないですね」

──印象としては長かったと思いますか? それともあっという間ですか?

川原 「振り返れば長いだろうと思うけど、有り難いことに毎年毎年重ねているので、長いっていうのもまひしてしまっているかもしれませんね」

山中 「そうですね。毎回いただく台本に何が書いてあるのか分からなく、来たものを自分の中で消化して役を作っていきます。最初からキャラクターを作り込まずに毎回新しいものを吸収していくので、追いついていくのが大変で常に新鮮でいる分、長かったと思えないですね。今振り返れば、『いやぁ300回なんだ!』っていう感じですかね」

──これまでのシーンなどでパッと浮かぶ印象的なものはありますか?

山中 「一緒にやってきた大谷亮介さん演じる三浦信輔さんがいなくなった回とか(※2013年10月16日放送・season12 初回2時間SP『ビリーバー』)、伊丹先輩が毒を盛られたシーンとか(※2010年2月10日・season8『狙われた刑事』)とか、自分が撃たれる回とか(※2012年1月1日放送・season10 元日SP『ピエロ』)。僕の場合は、どうしても最初に捜査一課の面々の回が浮かんじゃうっていうのはありますね。ゆっくり考えればたくさんあって、それこそ瀬戸内米蔵役の津川雅彦さんとご一緒させていただいた回とか(※2004年3月17日・season2 最終回SP『私刑~生きていた死刑囚と赤いベルの女』以降、たびたび登場)。300回目で津川さんとまたご一緒できるわけですから、それは感慨深かったですよ」

川原 「僕はあまりどれっていうのはないですね。初めの頃とか思い出したり、その代その代の“相棒”との絡みとかも思い出したりしますが、どの話がどうというのは…。1シーズンだけで終わる作品で印象に残ったことっていうのはすぐに分かりますが、十何年もやってきて、それもまひしていますね」

──300回やってきた中で、伊丹刑事&芹沢刑事が変わったと思うところはどんなところだと思いますか?

川原 「難しいですね。最初から芹沢&伊丹という2人のコンビだったら違ったでしょうけど、pre seasonは1人で始まり、season1から三浦刑事とのコンビで、そこに芹沢が加わって3人体制になり、途中で1人抜けちゃうわけですし。ただ、2人になって3人の時よりは意思疎通は早くなりましたよ」

山中 「根本的には変わってないですね。例えば、先輩と後輩という間柄でずっと来ています。最初の頃は、僕はどちらかといえば使いっぱしり的な役どころで、徐々に自分の中ではそれを変えていきたいって思っていたんです。後輩が思う『先輩と対等になりたい』みたいに、そういう立場でやれたらなあって思っていたら、脚本の中で徐々にそうなっていったんです。三浦刑事がいなくなってしまったことによって、芹沢がしっかりせざるを得なくなっただろうなとは思いますね」

「相棒」300回記念…川原和久&山中崇史を直撃! 長く続きすぎて捜一コンビは感覚が“まひ”!?

──特命係との距離感という部分ではいかがですか?

山中 「“相棒”が変わることによって、やっぱり距離感も変わりますね。変わった年に、まずこちらは一度引いてみますね。それから突いては離れてを繰り返すような感覚で入っているような気がしますが、その方によってはぐっと近づくこともあります」

川原 「それは台本をヒントにわれわれがやることですけど、やはり探り探りですね。『どう突っ込んでいこうか?』っていう。まず“相棒”っていう2人の関係性があって、われわれとの距離感があって。とはいえ人が変わるから、どうしても投げてくる球が違うのでそこは臨機応変に対応するようにしてますね」

──そのあたりは皆さんで話し合われたりするものですか?

川原 「いえいえ、僕らはそんな立場じゃないんで(笑)」

──お二人同士ではどうですか?

山中 「しないですよね? しないけど、『こんな球、飛んできましたね?』みたいに後で話すことはあるかもしれない(笑)」

川原 「『あれどうするよ?』とか言ったりして(笑)。『とりあえず様子見るか』って(笑)」

山中 「例えば、軟球が飛んでくるもんだと思ってたら、硬球が飛んできたみたいな。『どうしよう?』って思うことはあります(笑)」

川原 「『すごい剛速球きたよ…』って」

──では、300回やってきて改めて思う、ほかとは違う「相棒」の魅力はどこにあると思いますか?

山中 「やっぱり『相棒』を好きでいてくれる視聴者の方がいて、いつも支えてくれてるような気がすごくする。そして、“相棒”を変えちゃうとか何々をなくしちゃうとか。そういう変化を恐れないスタッフがすごいと思う。そして何よりも、水谷豊さんのあの精神力と体力。17年もキープする大変さって並大抵のことじゃないと思います。それらがお互いにバランス良くあるから、長いこと続いているんだろうなって。僕はその船に乗せてもらって、『いいに船に乗ったなぁ』って(笑)」

川原 「300回やって改めて感じる魅力…。やっぱりまひしてますね(笑)。改めて感じるというよりは日々感じてきたことだから、改めないからここまで来てるっていうか。まだ振り返れてないので、改められないですね。これからもこつこつ続けていきます」

──では最後に、1月31日に後篇が放送される300回記念スペシャルの見どころを教えてください。

山中 「出ましたよ、見どころ(笑)。見どころっていうのは本当に一番難しいですね」

川原 「難しいね」

山中 「だって、全部でしょう! 『自分を見てほしい』とか、そういうことしか言えない(笑)」

川原 「見逃していいところなんてないからね。逆に“見ないどころ”を教えてください。見ないどころなんて一つもないですよ。一つ一つが、全部が見どころです」

山中 「でも2週にわたってですから、見てくださった方に、1週目見た後2週目までの間に想像をめぐらしていただけたらいいですね」

川原 「ある種深々と引っ掛かっていたものが少し解けて『そういうことか!』って分かる回なので、内容的に言えばそこが見どころかもしれないですね」

──ありがとうございました!

 作中でのイメージ通り、川原さんは要点を話し、山中さんが多めに語ってくださいましたが、取材中は笑いの絶えない時間となりました。特命係を邪魔扱いしたり、協力し合ったり、「相棒」に欠かせないキャラクターとして今後も注目ですね!

【プロフィール】

川原和久(かわはら かずひさ) 
1961年12月26日生まれ。福岡県出身。劇団ショーマの劇団員として数多くの舞台に出演するほか、数々のテレビドラマで活躍。また、アニメやナレーションなどの声の出演も。「相棒」には2000年6月3日に「土曜ワイド劇場」にて放送された初回から登場。

山中崇史(やまなか たかし) 
1971年2月5日生まれ。埼玉県出身。劇団扉座の俳優として舞台出演するほか、テレビドラマに数多く登場。最近の出演は「無用庵隠居修行」(BS朝日)、「民衆の敵~世の中、おかしくないですか!?~」(フジテレビ系)など。「相棒」には2003年11月5日放送のseason2第4話から芹沢刑事役で登場。

【番組情報】

「相棒 300回記念スペシャル」後篇 
テレビ朝日系 
1月31日 午後9:00~10:09 

元衆議院議員の片山雛子(木村佳乃)が、元法務大臣・瀬戸内米蔵(津川雅彦)の寺で得度式を行い出家した。一方、その寺の敷地内で公安調査庁職員の白骨遺体が見つかった事件を追う杉下右京(水谷豊)と冠城亘(反町隆史)は、第一発見者である常盤臣吾(矢野聖人)を調べていた。サイバーセキュリティ対策本部特別捜査官の青木年男(浅利陽介)からの情報によると、常盤は3年前にアメリカに滞在しており、社美彌子(仲間由紀恵)との関与が疑われた元ロシア人スパイ・ヤロポロクが亡命していた時期と重なる。右京がある仮説を立てて推理を進める中、常盤が米蔵に今まで隠していたある秘密を打ち明ける。

テレビ朝日担当 K・T



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