町あかりの「テレビの仕事人に会いたい!」 <第5回 秋山勇人さん(テレビカメラマン)>2019/10/05
シンガー・ソングライターの町あかりが、テレビの裏側を支える「テレビの仕事人」から、あんな話やこんな話を聞いちゃう連載企画! 今回はMAミキサーの山岸慎一郎さんからのご紹介で、テレビカメラマンの秋山勇人さんに会いに行きました。
ニュース、スポーツ、テレビドラマなど、さまざまな番組がある中で、秋山さんは「ずっとバラエティー番組ばっかり撮影しています!」とのこと。学生時代からバラエティー番組をこよなく愛する秋山さんに、テレビカメラマンのお仕事についてお話を伺いました。
<テレビカメラマンのお仕事って?>
── テレビ番組の収録は、何時間くらいかかるのですか?
「もちろん番組にもよりますが、例えば僕がずっと関わっている「出没!アド街ック天国」(テレビ東京系)は、1日で2本録りです。この番組はVTRをスタジオで流しながらトークをする構成なので、大体1本につき1時間半~2時間くらいの収録時間です。トークだけじゃなくてもっと大きな展開のある番組だと、もう少し長いですね」
── 放送時間の2倍以上の時間をかけて収録しているのですね! スタジオ内にカメラは何台くらいあるのですか?
「大きなカメラが3、4台、小さいカメラが2台くらい、クレーンカメラが1台で、全部で7台くらいです。番組やテレビ局によっても異なるんですけどね。新番組の場合は、制作、ディレクター、演出の人の意向を聞きながらスタジオのセット図に基づいて、“ここに演者さんがいるからここから撮ろう”とか“セットの飾りが映るようにこっちから撮ろう”など打ち合わせを行います。毎回の収録前には、ワイプでどの人をメインに撮るかなど、“この人はリアクションがいいからメインで…”という確認も行います」
── なるほど。バラエティー番組でおなじみのワイプ画面って、いつも何気なく見ていましたが、そうした打ち合わせが行われているのですね。私、個人的にはスタジオのかわいいセットにも注目して見るのが好きなんです。セットの飾りが効果的にかわいく映っているのも、カメラマンの方の配慮があるからなんですね。
<きっかけは「とんねるずと仕事がしたい!」>
── 秋山さんがテレビカメラマンを志したきっかけは何ですか?
「高校1年生の時に『とんねるずのみなさんのおかげです。』(フジテレビ系)を見て、とんねるずのファンになりまして、「とんねるずに関わるスタッフになりたい」という漠然とした夢を持ったのがきっかけです。その後、友人が株式会社ニユーテレスの入社試験を受けるというので、“テレビの会社なら、俺も受けようかな”と思って受けたところ、友人は落ちて自分だけ受かりました(笑)。さらに驚いたことに、その会社が『とんねるずのみなさんのおかげです。』の制作に携わっていることを、実は入社式の時に初めて知ったんです(笑)」
── 最初からカメラマンを希望されたのですか?
「最初はカメラマン志望ではなく、VE(ビデオエンジニア)志望でした。でも、“カメラマンの方がとんねるずと近い距離で仕事ができる!”と思い、“カメラアシスタントにしてください!”とチーフカメラマンの方にお願いしたのが、カメラマン人生の始まりです」
── なんという偶然!奇跡の連続ですね。カメラマン志望ではなかったというのも意外でした。「とにかく憧れのとんねるずと仕事がしたい」という一念から今の職業にたどり着いて、夢がかなっちゃうなんてすごく面白いです!
<面白い瞬間を撮り逃がさないこと!>
── 体力勝負のお仕事だと思いますが、印象的なエピソードを教えてください。
「昔はとにかく寝る時間がなくて、試しに計算してみたら時給300円くらいだった時がありました(笑)。撮影時間も、夜中の2時からとか、朝の4時終わりとか…。でも最近は働き方改革などでそういうことは減りましたね。あと、山登りの撮影も大変でしたし…。 あ、だけど、ジェットコースターは得意なんですよ(笑)。小さいカメラをガムテープで手にグルグルと貼り付けて撮影するんですが、ジェットコースターが大好きなので楽しかったですね。あとは船の上の撮影も得意で、カツオ漁の撮影でみんなが船酔いでダウンしている中でも、僕は全然酔わなくて」
── すごい!それは才能ですね…まさに天職!
「他にも『とんねるずのみなさんのおかげでした』の沖縄ロケでクルーザーの上からカメラを持ったまま落ちたり、ドッキリの落とし穴に間違えて落ちちゃったり(笑)。撮影中に(木梨)憲武さんにいじられましたね。憧れの人たちからいじられて、うれしかったなぁ」
── 秋山さんじゃないと味わえないような体験、そしてハプニング(笑)。どんな出来事も「とんねるず愛」「バラエティー愛」で楽しんでいらっしゃるのが印象的です。最後に、テレビカメラマンとしての秋山さんの“マイルール”は何ですか?
「とにかく視聴者に楽しんでもらえるものを撮ること。面白い瞬間を撮り逃がさないようにすることですね。無事に収録を終えて、さらに編集されたものが無事に放送されているのを見ると“良かったなぁ”とホッとするし、達成感を感じる瞬間ですね」
── ありがとうございました!
「将来の夢がないなあ…」と進路に悩んでいる方は、秋山さんのように“一番好きなもの”に大きなヒントが隠れているのかもしれませんね。そんなことに気付かされた、勉強になるインタビューでした。
ちなみに秋山さんは「とんねるずのみなさんのおかげでした」の他にも、「チューボーですよ!」(2016年放送終了)や、「出没!アド街ック天国」「芸能人が本気で考えた!ドッキリGP」「IPPONグランプリ」などの番組にも携わっているそうです。
さて、読者の皆さまから「テレビ番組のこんなことが知りたい」「こういう職業の人の話を聞いてみたい」というリクエストや感想も大募集しています。次回もどうぞお楽しみに!
【ご意見・ご感想etc.を募集中!】
町あかりの「テレビの仕事人に会いたい!」に関するご意見・ご感想、ご要望は下記アドレスまで。抽選で、町あかりさんのアルバムを7名様にプレゼントいたします。
machi-honoji@tokyonews.co.jp
町あかり
シンガー・ソングライター。作詞・作曲、編曲、イラスト、衣装制作まで自身で行う。2017年ビクターエンタテインメントからメジャー3rdアルバム「EXPO町あかり」をリリース。現在、4thアルバム「収穫祭!」が発売中。他の歌手への楽曲提供も行う。文鳥を溺愛中。
★オフィシャルブログ:http://akrmc.blog135.fc2.com/
★オフィシャルTwitter:https://twitter.com/mcakr
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