山田裕貴、志村けんさんの半生を演じ「いろんな思いで生きた」2021/12/16
2020年3月、新型コロナウイルス感染症に伴う肺炎のため亡くなった日本を代表するコメディアン・志村けんさん。彼が経験した想像を絶するような過酷なスケジュールや、人気の裏に隠された挫折と苦悩、葛藤を山田裕貴さん主演で描くドラマ「志村けんとドリフの大爆笑物語」(フジテレビ系)が12月27日に放送される。
志村さんを山田さんが演じるほか、加藤茶さんを勝地涼さん、高木ブーさんを加治将樹さん、仲本工事さんを松本岳さん、そしていかりや長介さんを遠藤憲一さんが演じる。
今回のドラマでは、志村さんがコメディアンになることを決意し、いかりやさん(遠藤)の元を訪ね、高校卒業間際にバンドのボーヤ(付き人)として携わるところから描かれる。見習い時代の修業の日々や、ザ・ドリフターズの一員となってから1990年代までの想像を絶するような過酷なスケジュール、毎週行われていたネタ会議の様子や、徐々に築かれていく加藤さん(勝地)との友情も。さらには、これまであまり表には出ることがなかったメンバーとのやりとりや、いかりやさんとの関係など初めて明かされる内容も描き出す。
ドラマでは「8時だヨ!全員集合」(TBS系)、「ドリフ大爆笑」(フジテレビ系)の懐かしい場面も登場。また、「ドリフ大爆笑のテーマ」や「ドリフのズンドコ節」「ひげダンス」「威勢のいい風呂屋」など、名作と言われる数々のコントシーンなどが盛りだくさんで、目が離せない2時間となりそうだ。
先日都内で記者会見が行われ、ザ・ドリフターズを演じる5人が登場した。終始笑顔があふれる会見で、フォトセッションでは「ババン ババン バンバン♪」と「いい湯だな」の歌詞を口ずさみながらステップを踏む場面も。筆者の撮影技術が恐ろしく下手なことが悔やまれるが…“ザ・ドリフターズの5人”らしい場面が見られた。
本作の情報が解禁された際「楽しみもあるが、プレッシャーの方が大きかった」と振り返った山田さん。演じる上で気を付けたところや苦労した点を聞かれると「気を付けたことは数えきれないほどある」といい、「どれだけ皆さんの頭の中、心の中にある志村けんさんに近づけるのかということをずっと考えながら演じました。しゃべり方やコントの時のテンポや間、いろんなことに気を配って。放送の日、本当に“ドリフ”がよみがえったんじゃないかと思ってもらえるようなドラマになればいいな」とコメント。
また、「コロナで志村けんさんは亡くなってしまったんですが、この世界(コロナ禍)になって苦しんでいる人たちがたくさんいると思います。その人たちの苦しみみたいなものをその日(放送の日)に、思い切り笑いで吹き飛ばせるようなドラマになればいいなと思いながら…いろんな思いで志村けんさんを生きました」と志村さんへの気持ちを明かした。
加藤さんを演じる勝地さんは「僕も、ドリフターズもそうですし、加藤さん…小さい頃は“カトちゃん”って言いながら、本当に大好きな方。その方をまさか自分がやるということは驚きもありました。しかし、やるからには役者として何ができるかなと思った時、加藤さんのものまねをするのではなくて、“加藤茶さん”という生き方をうまく伝えられるようなお芝居ができたらなと思いました」と役に臨んだ。
ドラマの中で、加藤さんが悩んでいる志村さんに「難しい顔をしてやるんじゃなくて、コイツら楽しそうにやってんなって思うからお客さんが見て笑うんだよ」と声を掛けるシーンがあるそうで、勝地さんは「この言葉が、今の自分にすごく刺さったというか…。そうだよなって。こっち側が一生懸命、眉間にしわ寄せてやるより、楽しそうなんだということを伝えられたらなと思いました。今回はコントにも挑戦させていただきましたが、自分が見たことあるコントだったので、どうなるんだろうって心配もありました。でも、共演者の皆さんと楽しくやんるだということを心掛けてやりました」と打ち明けた。
さらに、加治さんは自身の中で「寝る」高木さんが浮かんだよう。「高木ブーさんって言えば僕の中で何かなと思った時に、“寝る”っていうイメージだったんです(笑)。どこでどのタイミングで寝るか…それは非常に大変でした(笑)」という言葉に会場は“大爆笑”! ここにいるだけで夢のような時間を過ごさせてもらったという加治さんは、勝地さんと同様に、高木さんがどのように生きてきたかを丁寧に演じることを意識したと話した。
事務所の大先輩・仲本さんを演じる松本さんは、仲本さんから「力を入れずに、自分らしくやんな」とアドバイスをもらったそうで、「いい意味で力を抜いて仲本工事さんという役をやらせていただきました。ビジュアル解禁時、周りの友達が僕って気付けなかったんです。ある意味寄せられたのかなと思って。だからちょっと安心しました」。普段の松本さんとはまた違った姿が見れるのも本作の楽しみの一つかもと思う筆者です。
最後に遠藤さんは、初めて一緒に仕事をする福田雄一監督のイメージが「自由自在な監督」だったそうで、「(いかりやさんとは)顔も違うし、声も違う…ものまねみたいにできないから違っていいんですよね?」と確認し、「まずはなるべく(いかりやさんに)寄せてください」と言われたそう。それでも、「きっちりやるのは得意じゃないですよ」と伝えると、「僕自身も苦手なんですけど、台本ちゃんと覚えてください」と返事があったと監督とのやりとりをぶっちゃけ。
これを受けて遠藤さんは、「ちょっとだけ普段の(自分の)声よりかは少し低めにして長さん(いかりや長介)に寄せた。顔はまあ、どっちかというと寄っちゃってるんでね(笑)。こわもてという面でね! そこは作らずにいきましたけど(笑)」と笑いを誘い、「自由自在な作品かと思ったら、普段(の作品の撮影)よりよっぽどきっちりしていて難しかったところもあった」と驚いた様子だった。
そして、アフレコの部分を撮った際に本作の映像を見たという遠藤さんは「映像を見たら、顔が全然違うのに、ドリフターズに見える。昭和の雰囲気があって、楽しめる作品になっていると思うから、楽しみにしていて」と締めくくった。
【番組情報】
「志村けんとドリフの大爆笑物語」
フジテレビ系
12月27日 午後9:00~11:03
取材・文・撮影/Y・O(フジテレビ担当)
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