宮本茉由が語る自身の変化「どうやったらもっと面白くできるか、意識はすごく変わったと思います」――「ドクターX~外科医・大門未知子~」インタビュー2021/12/02
米倉涼子さん演じるフリーランスの外科医・大門未知子が、病院組織で数々の騒動を巻き起こしながらも、外科医の本質である手術や治療を成し遂げるため、自らの道を突き進む姿を描いた医療ドラマ「ドクターX~外科医・大門未知子~」(テレビ朝日系)。
2012年の放送開始から10年目となった今シーズンは、100年に一度のパンデミックにより新局面を迎えた日本最高峰の大学病院「東帝大学病院」が舞台。メディカルソリューション本部長・蜂須賀隆太郎(野村萬斎)による組織変革によって大きく変化した東帝大で、未知子は困難な状況を前にしても目の前の患者に向き合い、その命を救うべく奮闘しています。
外科部長・海老名敬(遠藤憲一)の異動や外科医・原守(鈴木浩介)の復活など、毎週怒濤(どとう)の展開をみせ、大きな話題を集めていますが、今作ではシリーズ初となる医師の卵・研修医たちが登場。蜂須賀や外科リーダー・加地秀樹(勝村政信)に振り回され、時には未知子からは強烈な圧を受けながらも、一人前の医師になるべく歩みを進めている彼らの姿も大きな見どころとなっています。
今回TVガイドwebでは、研修医・虻川リサを演じている宮本茉由さんにインタビューを敢行。初挑戦となった研修医という役どころや撮影の様子、さらにプライベートでの“失敗してしまったエピソード”まで、たっぷりとお話を伺いました!
――現在も撮影中ということですが、現場の雰囲気はいかがでしょう?
「すごくシリアスなシーンもたくさんあるんですけど、現場はみんなすごく和やかな雰囲気です。俳優の先輩がたくさんいらっしゃるので、撮影中も直接演技について教えてくださったり、とても優しくてすてきな先輩たちに囲まれて撮影をしています」
――以前、宮本さんのInstagramで、共演されている小籔千豊さんや遠藤さんとのお写真を拝見したのですが、宮本さんからコミュニケーションを取ったのでしょうか?
「小籔さんは、過去に共演したことのある方からお話を伺ったことがあったのでそのお話をしたり、遠藤さんは以前別のドラマで共演させていただいたことがあって、今回の現場に入った時に遠藤さんの方から声をかけてくださったので、すごく心強かったです」
――主演の米倉さんとも「リーガルV~元弁護士・小鳥遊翔子~」(同系)以来3年ぶりの共演になりますが、米倉さんと共演してあらためて感じたことを教えてください。
「米倉さんが現場にいらっしゃると、現場がすごくパワフルになるというか、明るい雰囲気になって、撮影も楽しく、さらに頑張ろう!みたいな感じで進むんです。主役の方のそういうパワーってすごい大切なんだなとあらためて思いました」
――「リーガルV」は宮本さんの女優デビュー作でもありましたが、ここまでの3年間で女優としての意識の変化を感じる部分はありますか?
「はい! 最初は本当に現場にいるだけで精いっぱい。休憩中もどこにいればいいか分からない、セリフも自分のセリフでいっぱいいっぱいで、そのセリフをずっと唱えながら出演シーンを待っているくらい緊張していました。今は、ちゃんと周りの人のセリフを聞いて、どうやったらもっとこのシーンを面白くできるのかなと考えられるようになりました。まだまだ成長しなきゃいけないところはたくさんあるんですけど、意識はすごく変わったかなと思います」
――今回、宮本さんが演じている研修医の登場は「ドクターX」シリーズの中で初めての試みと伺いました。先ほどの写真撮影でも、第5話でリサが見せた「てへっ」のぶりっ子ポーズをしていただきましたが、役作りの中で宮本さんから監督に提案した部分はありましたか?
「そうですね。あのシーンは、監督が『てへって言ってみたら?』と言ってくださって、私も『分かりました!』と勝手に手の動きも付け加えたら『手はつけろって言ってないだろ!(笑)』と言われたんです(笑)」
――そうだったんですね!(笑)。
「監督が気に入ってくださったかは分からないんですけど、予告でも使ってくださっていました(笑)。監督の他にも、勝村さん、鈴木さんなどもたくさんアドバイスをくださって、虻川リサという役が出来上がっているのかなと思っています」
――勝村さんたちからはどういったアドバイスをいただいているのでしょう?
「今日は、ちょっとテンポ感が大切なシーンがあったんですけど、そのテンポ感をまだうまくつかめなくて。動作に集中しちゃってセリフが少しあやふやになってしまったり、逆にセリフを言おうとして動きがおろそかになってしまっていたんですけど、勝村さんから『どこに集中して、何を伝えたいかをちゃんと明確にしてやること』『“動く”、“転ぶ”ということも全部技だから、練習して本番前にしっかり合わせてやった方がいいよ』といったアドバイスをいただきました。本番前は動きを何回も一緒に合わせてくださったので、本番ではちゃんとできているかなと思います」
――なるほど。そのようにして出来上がってきた虻川リサという人物をあらためて振り返ると、どういう女性だと感じていますか?
「男性がたくさんいる中で女性1人なので、『あの男たちは…』みたいな感じで客観的に見ていると思うんですけど、その中でも先輩医師たちのすごいところを見て、憧れて、自分もそういう医師になれるように努力している、すごく頑張り屋さんな子なんだろうなと思います」
――スピンオフの「ドクターエッグス~研修医・蟻原涼平~」も拝見しました。そちらでは動画配信者というリサの意外な一面も描かれていましたが、あの設定も相談しながら決めていったのですか?
「ありがとうございます! 台本を見た時には既に動画配信者という設定があって、監督とどういう感じにしたら研修医の姿とのギャップを見せられるかなということを相談していました。普段は『何やってんのー!』みたいな、負けん気の強い姉御肌の子だから、逆にちょっとしっとりセクシーな感じでいって、蟻原(一ノ瀬颯)と矢島源五郎(上川周作)のセリフにもあった『誰だこれ…』みたいな感じになった方がいいねと言っていただいたので、ギャップのある全然違う感じにしてみました」
――同じ研修医役の一ノ瀬さん、上川さんとのシーンは本編でも多いかと思いますが、お二人の印象や撮影時のエピソードを教えてください。
「一ノ瀬くんはすごい一生懸命というか、何事にも全力投球。私は全力でやっていてもそう見えないことがあったりするので、すごくうらやましいです。近くで見て、どういうふうにしたら全力に見えるんだろうというのを勉強させてもらっています。上川さんは、細かい演技や話してない時の目の動かし方、顔の表情がすごくすてき。配信された『ドクターエッグス』を見て知ったんですけど、私がいないシーンの上川さんと一ノ瀬くんのシーンですごく面白いなと思うところがたくさんあって、そういった演技の細かさを感じていました」
――「リーガルV」や「ボイスⅡ 110緊急指令室」(日本テレビ系)など、宮本さんがこれまで演じてきた役はクールだったりミステリアスな役柄が多いかなと思います。そういった役を演じるにあたって、ご自身で大事にしていることがあれば教えてください。
「私、表情は割とクールと言われることが多いので、素を生かせるように意識してやるようにしています。クールな人ってあんまり早く話さない気がしていて。ゆっくり過ぎず、冷静に落ち着いて、客観的に周りを見れているからゆっくり話せるイメージがあるんですよね。『ボイス』の役もそうだったのですが、早く伝えなきゃいけないけど正確さも大事な時には、“単語のアクセントをどこに置くかを考えながら相手に伝わるぐらいの速さで話す”ということを意識していました」
――そういった意識は、先輩や監督からのアドバイスを受けて芽生えたものなのでしょうか?
「自分で考えながらやっています。監督から『いいね』と言われたら“自分のこの考えは合ってるんだな”と思って、『ちょっと違う』と言われたら、“じゃあどうしたらいいのかな”と一度考える。監督と相談させてもらいながらやってみて、良かったらそれを取り入れていく。そんなふうに日々答え合わせをしながら演じる日々を送っています」
――「ドクターX」では、未知子の「私、失敗しないので」という決めゼリフがありますが、それとは逆の宮本さんの失敗だったり、ミスしてしまったエピソードを教えてください。
「たくさんあります(笑)。でもすぐに浮かばないな…この間、趣味を増やそうと思ったんです。体を動かした方がいいなと思ってキックボクシングを始めたんですけど、本気でやりすぎて両すねの同じところにあざができちゃったりとか。あとはゴルフも始めたんですけど、(クラブを)変な使い方してしまって、(体の)左側が全部痛くなったりとか…そんなことばかりです(笑)」
――先ほどおっしゃっていた一ノ瀬さんの“全力投球”な部分と似たところがありますね(笑)。
「確かにそうですね。集中すると、そこしか見えないみたいな時があるんですけど、周りからはそう見えないらしくて…(笑)。頑張り損みたいところがあるんですよ。集中しすぎてアドレナリンが出てるか、気づいたらけがしたり、(手足が)つっていたりとかありますね(笑)」
――では最後に、今後の「ドクターX」の見どころを教えてください。
「第8話(12月2日放送)では、みんなが大好きな海老名先生が帰ってきたり、東帝大にイケメンくんが来たりと、物語がまた大きく動くのかなと思います。あと、リサは今エクスチューバー(動画配信者)になるのか、医師になるのかで自分の進むべき道にすごく悩んでいます。ついにリサが医師を目指すのか。ストーリー上では全然触れられてないんですけど、リサの決断の部分にも注目してほしいです」
――ありがとうございました!
インタビューの際、記者からの質問にしっかりと耳を傾け、一つ一つ丁寧に受け答えをしてくださった宮本さん。写真撮影時も「研修医の中だとツッコミ役なのかな?」など、ドラマのエピソードも笑顔で話しながら撮影に臨んでくださり、取材は終始和やかな雰囲気となりました。ドラマも終盤に差し掛かってきましたが、物語はどう進んでいくのか、そして宮本さん演じるリサが選ぶ道は一体どうなるのか。ぜひお見逃しなく!
【プロフィール】
宮本茉由(みやもとまゆ)
1995年5月9日生まれ。秋田県出身。牡牛座。A型。オスカープロモーション所属。2018年にドラマ「リーガルV〜元弁護士・小鳥遊翔子〜」(テレビ朝日系)で女優デビュー。「監察医 朝顔」(フジテレビ系)、「トップナイフ-天才脳外科医の条件-」(日本テレビ系)、「竜の道 二つの顔の復讐者」(フジテレビ系)、「妖怪シェアハウス」(テレビ朝日系)などに出演。また、雑誌「Cancam」では専属モデルとして活動中。22年公開予定の映画「鳩のごとく 蛇のごとく 斜陽」では映画初出演にして初主演を務める。初プロデュースしたコラボアイテム「STRIPE CLUB×宮本茉由」は、STRIPE CLUBの公式販売サイト(https://stripe-club.com/)で販売中。
【番組情報】
「ドクターX〜外科医・大門未知子〜」
テレビ朝日系
木曜 午後9:00〜9:54
「ドクターエッグス〜研修医・蟻原涼平〜」
TELASAにて前編・後編独占配信中
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【締切】2021年12月29日(水)正午
取材・文/平川秋胡(テレビ朝日担当) 撮影/蓮尾美智子
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