小芝風花が鹿児島発地域ドラマ「この花咲くや」で主演。「桜島は“優しい山”。心が浄化される」2021/11/28
NHK BSプレミアムで2022年春に放送される、鹿児島発地域ドラマ「この花咲くや」（日時未定＝NHK鹿児島局制作）。同作の撮影は11月初旬から行われ、11月15日には桜島でロケ取材会が行われた。取材会には、主演の小芝風花、共演の吉岡秀隆、永作博美、犬飼貴丈が出席し、作品への思いなどを語った。
ドラマでは、素直に人と寄り添えない、世代の異なる2組の男女が、噴煙を上げ続ける桜島とともに生きる街・鹿児島で“幸せ”を探す姿を描く。小芝が鹿児島の不動産会社に勤める坂元知花を、知花のもとへ家探しに訪れる津村幸次郎を吉岡が演じる。また、永作、犬飼のほか、田中美佐子、吹越満、高月彩良、工藤綾乃といった豪華キャストが脇を固めることも先日発表。脚本は映画「新聞記者」（2019年）や、ドラマ「群青領域」（NHK総合）を手掛けた詩森ろば氏が担当する。
劇中で重要な位置づけとなるのが、今回の取材会の会場となった桜島だ。県民から愛される鹿児島のシンボル的存在への印象を、小芝は「優しい山」と表現する。「噴火することもあり、力強い部分はあると思いますが、見ていて心が浄化されました」と語った。
対して吉岡は、もともと「荒々しい男っぽい山」という印象を持っていたと言う。しかし、撮影で毎日見る桜島をそのうち「美しい山」だと思うようになったそうで、「ずっと見てても飽きないなと思いました」とコメント。さらに、永作は「本当に（鹿児島から）近いんだなってあらためて思いました。どこからでも大きく見える。心強い気持ちになりました」、犬飼は「桜島がこんなにも大きくて雄大なんだって思いました。毎シーン、桜島のエネルギーをもらいながら撮れているような気がします」と語り、それぞれ思うところがあったようだ。
作中で話される鹿児島弁については、なかなか苦労した様子。大阪出身の小芝は「半音上がるようなニュアンスが難しかった」とし、「“ネコ”という言葉もイントネーションがまるで別物。なんか方言って面白いなと思いました」と興味深げ。今までにさまざまな作品で方言に挑戦している永作も、同じく苦戦したという。だが、撮影が進むにつれて「いつの間にか普段の会話の中にも、うっかりイントネーションが入ってくるようになりました。心地いい耳触りなんだろうなと思います」と振り返る。
また、鹿児島で撮影したことでそれぞれ“収穫”もあったようだ。小芝は、苦手だった芋焼酎が好きになったそう。飲みやすさ、おいしさに気付き、「（食事に行った際には）どんな種類を置いているのか、銘柄を見るだけでワクワクするようになりました」と笑顔。同じく芋焼酎と、そして九州地方独特の甘いしょう油が苦手だったという吉岡は、それらをなんと前日に克服したらしく、「本当においしいです。甘いしょう油に芋焼酎が合うなと」と報告した加えて、「ちゃんともう一度（歴史など）勉強して、出直したいなと思っています」と明かした。
それぞれの役どころに関して、小芝は「これまで私が演じさせていただいた役って『THE成長していきます』みたいな役が多かったんです。（今回演じる知花にとっては）一歩踏み出すということが大きな変化で」と説明。「すぐには人って変われないけれど、それでも生きていかなきゃ。前を向きたいという人の気持ちを大切にしながら演じています」と述べた。
続いて吉岡は「人間の持つ災害にあった時の“悲しみ”みたいなものを、大事に演じさせてもらったつもりでいます」、桜島に暮らす女性という設定の永作は「昔のことを押し込んで、明るく今を生活しているけど、ぽろぽろと昔の感情が出てくる。難しい役でした」、鹿児島の市職員という役柄の犬飼は「熱いマグマのような心の持ち主」とそれぞれ説明した。
最後に小芝は「力強さだったり、迷ったり、トラウマがあったとしても、それでも前に進んでいきたいっていう人の強さと、桜島の強さがリンクしている作品だと思います。鹿児島の皆さんはもちろんですけど、いろんな人に見ていただきたい作品だと思います」と力強くアピールした。
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