反町隆史が今シーズンいっぱいで「相棒」卒業。「ここまで続けてこられたのは、水谷さんがいたから」思い語る2021/11/24
「season20」という節目を迎えたテレビ朝日系の連続ドラマ「相棒 season20」(水曜午後9:00)で、水谷豊演じる杉下右京の相棒・冠城亘に扮(ふん)する反町隆史が、右京の相棒として歴代最多出演本数を更新する今シーズンいっぱいで番組を卒業する。
2015年10月14日放送の「season14」第1話で、法務省のキャリア官僚として初登場した冠城亘(反町)。現場に興味があるという理由から、警視庁に出向を希望し、特命係に間借りしていた当初は、“同居人”として杉下右京(水谷)と接していた。しかし、さまざまな事件を通じて右京とかかわるうち、次第に興味を引かれ合う関係に。法務省を事実上クビになった「season15」では、警視庁広報課を経て、特命係に正式配属。その後、2人ならではの距離感を保ちつつ、深い絆で結ばれていった。
そんな亘は、4代目相棒として7シーズン目に突入。11月24日放送の「season20」第7話をもって、右京の相棒として歴代最多、125回という出演本数に到達する。反町は「“歴代最多出演本数の相棒”ということを、全く意識していなかったかというと、そうではありませんでしたし、それがすべてかというと、そうでもないというのが正直なところです。ただ、相棒として何か残せないかというのは、常に考えていたことではあります」と心情を吐露。
また、ここまで続けてこられた背景には、加入当初の“悔しさ”と、水谷の言葉があったからだという。「これまでの撮影で一番思い出すのは、(初めて撮影に参加した)シーズン14のクランクイン。初日から膨大なセリフ量があって。ある程度は予想していたのですが、思っていた以上に長回しが多い撮影で、自分のあまりの不甲斐なさにショックを受けました。それが、僕の『相棒』における最初の記憶ですが、落ち込んでいた僕を救ってくれたのが、水谷さんの言葉でした。僕自身が納得いっていない…ということを敏感に感じ取り、『今ので良かったよ』と言って気持ちをつなげてくださった。その言葉があったからこそ、僕はここまでやってこられましたし、一つ一つのシーンを乗り越えることができたのだと思います」と振り返る。
さらに、「亘を歴代最多にしてくれたのは、水谷さんはじめ、キャスト、スタッフ、ファンの方があってのことでした。水谷さんという特別な存在がいて、水谷さんを中心にした『相棒』というチームがあったからこそ、今がある。亘としてもそうですし、いち俳優としても、お手本になる大先輩が常に前を走ってくれていて、僕はその背中を追い掛けるのに必死で…。本当にただ、必死で。気付いたら7年たっていました」と今に至る心境を明かす。
そして、今シーズンの最終話、亘は「相棒」から“卒業”することになる。亘が4代目相棒として「相棒」の世界に初登場したのは、15年スタートの「season14」。節目節目で、局と事務所、反町本人との話し合いの場が持たれ、続投を重ねる中で、亘にとって7シーズン目となる「season20」を迎えた。
今回、撮影開始に先立ち、番組サイドと本人サイドの間での話し合いの中で、本人より歴代最多出演本数を更新する今シーズンいっぱいでの卒業の意向が示され、最終的には、双方が納得した上で、卒業することが決まった。決定のタイミングは、「season20」の撮影が始まる前のこと。それゆえ、卒業を知る一部スタッフは、反町が今シーズンの撮影に臨む姿に特別な思いを感じたという。
反町は「ここまでやってこられたのは水谷さんがいたから。卒業について直接話した時、水谷さんがおっしゃったのは、『分かった』の一言でした。それでも、同じ俳優として、察してくださっていることを強く感じました。僕自身、40代の頭から相棒をやらせてもらって、今年で48歳になるのですが、『50代を迎えるにあたって、新しい出発を切ろうとしている気持ちは、よく分かる』と。実際、そんな話はしていないのですが(笑)、これだけ長く一緒にいますから、僕には分かるんです」と水谷が背中を押してくれていることを感じたという。
水谷も「ソリ(反町)が相棒を離れることになりましたが、2人では多くを語っていません。話さなくても思いは充分わかり合っていると思うからです。この先、冠城亘ではない役者ソリを見られることもとても楽しみです」と期待を寄せる。
また、水谷は反町に対し、「すでに出来上がっているチームに入ることがどれほど大変なことか、役者なら誰もが感じることだと思いますし、ソリもまたその重圧を抱えていたに違いありません」と思いやり、「『相棒season14』の撮影初日、しかしそれ以上に僕が感じたのはソリのポテンシャルの高さと前向きなエネルギーでした。もちろん最初は試行錯誤の連続だったと思います。そして2年目3年目、思った通り、いや思った以上にソリは冠城亘をスタイリッシュにチャーミングに作り上げていきました。ソリで良かった、シーズン中何度も思ったことです。現場のスタッフたちもソリとの仕事を楽しみ、またソリを好きになっていきました。それは役者としてのソリばかりかソリの人間性そのものがそうさせたのだと思います」と感謝し、その人間性を称賛した。
そして「ソリありがとう、と言いたいところですが撮影はまだ終わってませんね(笑)。来年2月まで残りの撮影もよろしくねソリ」とエール。
最後に反町は「冠城亘として作品に加わって7年。常に僕の前を、一歩二歩ではなく、十歩も二十歩も先を歩いている人がいて。僕はその背中に追いつくのに必死で、追いつこうとするのですが、なかなか追いつけなくて。ちょっと背中が見えてきたかな…と思ったら、またはるか遠くに離されて…。そういうことが、この7年、ずっと続いていた気がします。ただ、追いつけなかったからこそ、7年という長い間、やってこられたのかなと思います。一言では言い表せない思いがありますが、今はとにかく感謝の気持ちでいっぱいです」と締めくくった。
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