斎藤工が“妊夫”に扮したNetflix「ヒヤマケンタロウの妊娠」トークショー開催2021/11/16
11月9日・10日の2日間にわたって開催されたNetflixのイベント「Netflix Festival Japan 2021」で、斎藤工が妊娠する役に扮（ふん）した社会派コメディー「ヒヤマケンタロウの妊娠」のトークショーが行われた。登壇したのは、仕事第一優先でプレーボーイな桧山健太郎役の斎藤、そのパートナー・亜季役の上野樹里、監督の箱田優子氏。
物語は、プレーボーイな桧山が、自分が妊娠することで今まで見えていなかったさまざまな社会の問題に直面し、亜季と奮闘しながらも徐々に周囲の人と、そして自分自身の“無意識の偏見”を変えていく姿をコミカルに描いていく。
斎藤は、脚本を読んだ感想を「“男性の妊娠”というと、ジャック・ドゥミ監督の『モン・パリ』やアーノルド・シュワルツェネッガー主演の『ジュニア』など今までもあったんですけど、また少し観点の違う、現代にアジャストしたものになっていて、社会派でありながら娯楽性を感じて、この軽やかさがあれば、本当の意味での何かの問題提起になるんじゃないかと思いました」と語った。
また、妊娠するという経験もできない役柄について「情報と想像しかなかったですね。でも実際におなかが大きくなっていくフォルムや重みも、かなり忠実に再現していただいたので、それで行動の重心が変わってくるんですよね。自分の大事にするコアの部分がおなかになってくる。ふとした動きも含めて、妊娠されている方はちょっとずつ変化してくるんじゃないかな、というふうに疑似体験させていただいた。自分のフォルムが変化することによって、本当に心境が変わっていったというのがあります。衣装部さんやヘアメークさんたちと、総合的に桧山健太郎の妊娠という物語を描いていた」という感覚だったという。
上野が演じる亜季は、原作漫画に数人いる女性キャラクターの中で、後半に登場する姉御肌の女性をヒロインにしたそうで、「亜季の強気なところはもちろんですけど、それだけではない繊細さなどいろんな要素を足していきながら、よりリアリティーのあるものにしていきました」と明かし、脚本の作り込みにも参加したとのこと。「亜季は、結婚とか親に自分がなるということを全く想像していなかったと思います。会うたにび桧山のフォルムが変わってきて、どう受け止めるべきか分からなくて。そんな中で、親というものに固定観念を抱いていたんだと気付かされたりしながら、桧山の妊娠によって亜季自身も成長していくんです」と役柄の心情を分析。
また、撮影はじっくりと時間をかけて進んでいったそうで、「脚本も話し合って作っていったんですが、現場に入るとまたいろいろ出てきて。『じゃあ、どうしようか？』と新たに考えていく、常にクリエーティブだなと感じられた現場でした」と現場の熱意を振り返った。
箱田監督は「ただ今、もう1人の菊地健雄監督と鋭意、制作中です。全8話で、スピード感を持たせつつ楽しく見られるようなものにしている最中です。妊娠という思いがけない出来事が起きた時に、今まで自分が正しいと思っていたこと、守りたいと思っていた立場が揺らいでしまうんじゃないか、と感じることは誰にでも起こりうることだと思います。2人の悪戦苦闘する姿を見て、もしかしたら固定概念にとらわれているのは自分かもしれない、と自分の可能性を広げられる作品になっていたらすてきだと思います」とコメント。
おなかの大きなフォルムで町中でのロケ中、通りすがりの方から“不摂生の象徴”のような目線を感じたという斎藤は「こうやって、おなかが大きかった理由を発表できて、報われる気持ちです」と笑いを誘った。
最後に、斎藤は「個人的に、“現場に託児所を設ける”というプロジェクトをもくろんでいた流れがあった中で、必然的に出合ったこのテーマ、作品でした。本作を作ったことによって、また一つの議論だったり、誰かにとっての必然が生まれることを心から願っています。でも、軽やかな娯楽でもあるので、楽しみにご覧いただけたらうれしいです」とアピールした。
Netflixシリーズ「ヒヤマケンタロウの妊娠」は2022年全世界独占配信
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