山下大輝◆「子どもの頃から海外アニメは大好き。吹き替えもやりたいと思っていた」2019/08/28
テレビアニメ「弱虫ペダル」シリーズ(2013~15年、17~18年)の小野田坂道、「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」(18~19年)のナランチャ・ギルガなど、少年らしさを持つ役柄を数多く演じている声優・山下大輝。カートゥーン ネットワークで日本初放送される「ビクター&バレンティノ」では、9歳の男の子・ビクターの吹き替えを山下が担当する。実は海外アニメが大好きだったという山下。その魅力とは? また、バレンティノ役を演じる落合福嗣との関係性とは?
──「ビクター&バレンティノ」のお仕事が決まった時の感想をお聞かせください。
「子どもの頃から海外アニメは大好きだったので、吹き替えもやりたいと思っていました。だから、オーディションで決まった時はすごくうれしかったです。海外アニメは独特のテンポ感が好きで、昔、友達の家で見た『パワーパフ ガールズ』(01年~)に夢中になりました。気持ちの流れを積み重ねるというより、スタートと同時にゴールがある、みたいなテンションが心地良かったんです。みんなが脊髄で動いている感じがしますよね(笑)。実際に海外アニメの吹き替えをやってみると、やっぱりテンポが速いなと思います。ブワーッとセリフがあるので、普段よりくっきりはっきり演じるようにしています」
──山下さんが演じるビクターは、異母兄弟のバレンティノと一緒に祖母の家で過ごしています。どんなキャラクターでしょうか?
「考えることがあまり上手じゃなくて、思ったことをすぐ行動に移す子。そして、不器用で虚勢を張っているけれど、本当はバレンティノのことをすごく思っている子。でも、その思いを表に出すことは恥ずかしいと思っていて、そういうところが少年らしくて、かわいらしいなと感じます。勢いが彼の魅力だと思うので、そこが声によって伝わればうれしいです」
──バレンティノ役の吹き替えは、落合さんです。アフレコ現場での印象はいかがでしたか?
「福嗣くんは明るくて、いいお父さんって感じですね(笑)。落ち着きもあるし、何に対しても前向き。一緒にいて安心感があります。作中では、ビクターがバレンティノにけんかを仕掛けることが結構多いんです。アフレコ中は“どうやったら福嗣くん演じるバレンティノに感情豊かな反応をしてもらえるんだろう”と考えながら演じました。例えば、バレンティノがムカッとするシーンでは、“どうしたら福嗣くんがムカッとしてくれるだろう?”と考えるんです。台本に書いてある通りに演じているんですが、どうやったら『ムカッ』が『超ムカーッ』になるのかな、と。イントネーションなどで工夫しています」
──ビクターとバレンティノは、次々と超常現象に遭遇してワクワクする冒険を繰り広げますが、こういうシチュエーションに山下さんご自身は憧れますか?
「どうでしょう(笑)。ビクターが体験することってシビアですよね。落ちたり、転がったり、何かに捕まったり、縛られたり、ぶっ飛ばされたり。突拍子もないことが起こるので、僕自身は耐えられる自信がないです(笑)。ビクターは運動神経がいいし、あれぐらいのポテンシャルがあればいくらでも楽しめるとは思うんですが…。でも、どこかに隠れている異次元空間を探検するのは楽しそうですよね。知らない場所をあてもなく散歩するのは好きなんです。でも、1人では怖い。福嗣くんがいれば大丈夫かな(笑)。安心感の塊なので!」
──作品の舞台であるモンテマカブロはラテンアメリカにある町ですが、どういったイメージを持たれましたか?
「不思議な場所ですよね! コヨーテやチュパカブラなど、現地で有名な伝説の生物、人ならざるものが出てきます。コヨーテはイタズラ好きな神様だったり、知らないことが意外とたくさんありました。魅力的なのは、街のカラフルなデザイン! 華やかで活気があります。それと、一言しかセリフがないようなおじさんやおばさんもパワフルに、その日を100%のパワーで生きていること。細かいことは気にせず、とにかくハッピーな感じが気持ちいいです」
──ビクターとバレンティノがタコススタンドで働くシーンも、ラテンアメリカならではですね。
「演じながら、食べ物はめちゃめちゃ気になりますね。タコスはこんなに屋台で売っているぐらい日常の食べ物なんだとか、トウガラシがよく出てくるけど、みんな辛いのは大丈夫なのかとか、チョリソーの辛さとか…。キャスト一同で、『この番組の企画でメキシコへ行けないですかね』なんて話しています。東京にもメキシコ料理店はたくさんありますが、やっぱり町並みも含めて堪能してみたいです!」
──「チュパカブラが実は、見た目からは想像できない性格だった」など、人ならざるもの設定も面白いですよね。
「出てくるキャラクターは、みんなかわいいですよね。憎めないというか。敵のように現れてもどこか抜けているんです。毎回、魅力的なキャラクターをゲストの方が演じてくださっています。たとえば第3話(9月4日放送)のコヨーテ役は、鈴木達央さん。陽気なイタズラ好きのコヨーテを楽しそうに演じていらっしゃいました。いろんな方のコミカルなお芝居が聞けるのもアフレコの楽しみです。おなじみのキャラクターのわちゃわちゃとゲストの方のスパイスが相まって、視聴者の方を飽きさせません!」
──コヨーテがどんなイタズラをするのか楽しみです。ビクターもイタズラをして、ひどい目に遭うシーンがありますね。
「子どもたちが見た時に、1話ごとで教訓がある作品です。“イタズラしたり人のものを勝手に触って壊しちゃったりしたら謝ろうね”とか。あとは“家族をちゃんと大事にして、兄弟や友達を愛しましょうね”とか。大人でも“そうだよなぁ”と思える終わり方なんです。そこが毎回すてきだなって思いますね」
──では、放送を心待ちにしているファンへ、メッセージをお願いします。
「いろいろな人の心に刺さる物語だと思います。1話完結なので、見逃しても、途中からでも、出遅れることは絶対にありません! お時間がある時に見て、“面白いな、和んだな、他の話も見てみたいな”と思っていただけたらうれしいです。僕らキャストも、幸せな楽しい現場の中で演じています。そういったハッピーな気持ちが作品を通して伝わり、視聴者の方の生活の潤いになったらと思います。とにかく1回見ていただけたらこの楽しさが伝わるはず! ぜひご覧ください」
【作品情報】
「カートゥーン スペシャル Hola!ビクター&バレンティノ」
カートゥーン ネットワーク
9月2~6日 午後5:00~5:15
不思議な町モンテマカブロで異母兄弟のビクター(山下)とバレンティノ(落合)が繰り広げる超自然的アドベンチャー・コメディーが日本初放送。祖母によりモンテマカブロに呼び寄せられ、タコススタンドの仕事を任せられた2人が、古代都市や伝説の生物に遭遇する。
【プロフィール】
山下大輝 Daiki Yamashita
9月7日、静岡県生まれ。おとめ座。A型。テレビアニメ「ナカノヒトゲノム【実況中】」(TOKYO MXほか)などに出演中。10月スタートの「ノー・ガンズ・ライフ」(TBSほか)、「厨病激発ボーイ」(TOKYO MXほか)、「俺を好きなのはお前だけかよ」に出演。
取材・文/仲川僚子 撮影/Marco Perboni ヘア&メーク/薄葉英理
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