増田貴久がコミュニケーションを取る時に大事にしていることとは? ――「古見さんは、コミュ症です。」インタビュー2021/10/03
増田貴久さん主演のよるドラ「古見さんは、コミュ症です。」(NHK総合)が現在放送中です。ごく普通の男子高校生・只野仁人(増田)と、ちょっと風変わりな女子高校生・古見硝子(池田エライザ)が繰り広げる癒やしの物語。今回は只野くんを演じる増田さんに、コミュニケーション方法や、高校生役についてお伺いしました。
――今作は高校生役ということでも話題となっています。オファーを受けられた時の心境をお聞かせください。
「最初にお話を聞いた時は、“まだ高校生の役をいただけるんだ”と思って、うれしかったです。自分では違和感なく、すんなり受け入れたんですが、インターネットで『35歳で高校生役』というのを見るまで、信じて疑わなかったです(笑)。原作の漫画を読ませていただいた時も、演じている時も、僕が高校生だったら只野くんのように周りのことを分かってあげられなかったんだろうなと思ったので、今の年齢だからこそ理解できることがありますし、人付き合いの経験値が上がったことで感じることもあって、今このお話をもらえたことがすごくうれしいです」
――「35歳で高校生役」というのをご覧になって、いかがでしたか?
「まず、漫画原作のファンの方がたくさんいらっしゃるので、その方々を裏切りたくないなというのはあります。あとニュースの見出しが『増田、35歳で高校生役に!』となっていて、友人から『35歳で高校生やるんだね』とメールが来ました。高校生に見えるかどうかじゃないんだよなーと思いながら衣装合わせに行ったら、スタッフさんが全員『全然大丈夫ですね!』と笑っていて(笑)。周りの皆さんが安心してくださったので、より一層安心することができました」
――只野くんのいとおしいキャラクターが増田さんにピッタリだと思います。ご自身と似ている部分がありましたら教えてください。
「只野くんは自己紹介で『特技は空気を読むことです』とスベってしまったんですが、違うシーンでもスベっていて、たくさんスベるキャラクターなんですよ(笑)。監督が『こんなに上手にスベることができるのは天性のものだよ、増田くんにしかできないよ』と褒めてくださって。僕は只野くんより、スベらないと思いますけどね(笑)」
――「ボイスⅡ 110 緊急指令室」(日本テレビ系)では真逆の役を演じられていましたが、どのように切り替えをされていたのでしょうか?
「1カ月弱くらい、撮影がかぶっていた時期があって。どちらかに迷惑をかけてしまったり、うまくできなかったりしたらどうしようと思ったので、マネジャーさんには『どんなに忙しくてもいいけど、同じ日に二つのドラマが入らないようにしてほしい』とお願いしました。でも『ボイス』の次の日に『古見さん』の撮影があって、帰りの車の中で明日の台本を覚えなければいけない時は、やっぱり家に帰るまで読めなくて…。自分の中で線引きをしていたのか、他の現場で違う台本を読むことはなかったです。帰り道でオフにして、違う人を降臨させてから、家でオンにするような(笑)。そういう切り替えをしていたと思います」
――作品のテーマでもあるコミュニケーションについて、増田さんは苦手だと感じたご経験はありますか?
「こういうお仕事をさせてもらっていると、面白いことを思い付いた時に、自分が言っていいのかな…言わない方がいいのかな…と思いつつ、結局タイミングを逃して言えなくなってしまうことはあると思います。空気を読んでいるつもりだけど、逆に読めていなくて、ちょっと無口になってしまうみたいな。それこそデビューしてすぐの時は、もっと言いたいことがあるのに言葉を選んで言えなかった…ということが多かったかもしれないですね」
――では、コミュニケーションを取る時に気を付けていることがありましたら教えてください。
「僕は何も気にしていないと、人の話を聞いている時に自分の話で塗り替えてしまうタイプなんですよ。だから、人の話を聞くことを意識しているかもしれないですね。僕が大事にしている言葉で、エルヴィス・プレスリーが言った『人の意見は否定しちゃいけないよ、だってあなたはその人の立場に立ったことがないんだから』という言葉があって、みんなそれぞれに思うことがあるので、自分の意見を言い過ぎないこと、人の意見をリスペクトすることを心掛けています」
――撮影現場では、共演者の方々とどのようにコミュニケーションを取っていたのでしょうか?
「僕は現場の空気感を大事にしたいですし、早くから仲良くなりたいと思っていたので、顔合わせの時から溝端(淳平)くん(片居誠役)とはマシンガントークをしました。あと、吉川愛ちゃん(万場木留美子役)とは年齢が離れていたので、ジェネレーションギャップがあって…。溝端くんと僕が交互に面白い話題を振って、“どっちが早く愛ちゃんと仲良くなれるか”というようなこともしました。でも溝端くんは、みんなと打ち解け始めたころに転校しちゃったんです(笑)。(池田)エライザちゃんや、ゆうたろうくん(長名なじみ役)ともご飯の話や音楽の話もたくさんしたんですが、難読漢字が盛り上がりましたね。黒板に難しい漢字を書いて読めるか? というのをやったんです。一番漢字が得意だったのはエライザちゃんで、僕は一番読めなかったです(笑)」
――増田さんが話し掛ける時に緊張した相手、逆に話し掛けられてビックリした相手はいらっしゃいますか?
「先輩のバックでコンサートに出ていた時、生田斗真くんが僕と同じお茶を持って『このお茶うまいよな!』って話し掛けていただいたのを、子どもながらにすごく覚えています。たぶん斗真くんは、たまたま同じお茶を取った後輩がいたから話し掛けてくれたと思うけど、僕は自分から先輩に話し掛けるタイプではなかったので、それがすごくうれしくて。大きくなってから斗真くんに『実は話し掛けてくれたのを、すごく覚えているんです』と伝えたことがあります。ジャニーズの先輩方は、ふとした時にアドバイスをくれるので、僕も自分たちのバックに付いてくれる後輩には、僕が言ってあげられることってなんだろうということを意識しています。先輩としての発言だから、後輩にとっては大きな影響を与える可能性があるじゃないですか。変にアドバイスできないし、話す時はとても気を使っていると思います」
――最後に、後半の見どころをお願いします。
「後半は、新たな癖の強いキャラクターが出てきます。古見さんと只野くんの関係にも少し変化があって、2人もいろんなことに悩んで、誰かのために考えていきます。“友達ってなんだろう”ということを考えながら、優しくなれる瞬間をたくさん描いているドラマだと思います。個性の強いキャラクターが出てくるので、自分もこういうところがあるなとか、こういう人がいたら、こんなふうにしてあげようかなと、誰かの立場になって見てもらえたら、うれしいです」
――ありがとうございました。
第5回あらすじ(10月4日放送)
生徒会長の選挙戦が本格化! 古見さん(池田)は、潔さん(大西礼芳)の応援をすることにしましたが拒絶されてしまいます。そこへ潔さんのことをよく知る阿瀬さん(筧美和子)も応援させてほしいとやってきますが、潔さんはまたしても拒否。そんな様子を見ていた只野くん(増田)は仲立ちをしようと昼食に誘いますが…。
【番組情報】
よるドラ「古見さんは、コミュ症です。」
NHK総合
月曜 午後10:45~11:15
NHK担当 M・I
ヘア&メーク/坂部めぐみ(メーキャップルーム) スタイリスト/内田あゆみ(creative GUILD) 衣装協力/amok
この記事をシェアする