日本沈没―希望のひと―2021/12/06
番組情報
キャラクター紹介
- 天海啓示(小栗旬)
環境省・環境生活局環境問題対策課の官僚。CO2問題や産廃リサイクル問題に取り組む。野心家で、手段を選ばず強引に政策を推し進める面がある。「COMS(コムス)」事業に参加し、“日本未来推進会議”に省代表として参加が決まる。会議で田所博士と出会い、とてつもない運命に巻き込まれていく。1年半前から妻子とは別居中。 - 常盤紘一(松山ケンイチ)
経済産業省・エネルギー環境局環境開発課の官僚。経産省代表の“日本未来推進会議”メンバー。旧財閥系の家系で生まれ育つ。豊富な人脈を持ちながら、それを鼻にかけない人当たりの良さもあり、一目置かれている。リーダータイプで、ゆくゆくは政治家になることも視野に入れている。天海とは東京大学の同期。「COMS」推進で環境省の天海と共闘し、後ろ盾となる有力な企業人を紹介することで、天海の政界進出の野望を応援する。 - 椎名実梨(杏)
週刊誌「サンデー毎朝」の記者。元毎朝新聞政治部の記者。正義感が強く、時に攻撃的になる取材姿勢があだとなり、系列の週刊誌に異動させられた。新聞記者に戻るために大きなスクープをあげようと、環境ビジネス企業と環境省の癒着疑惑を追っている。天海に接触し、最初は疑いの目を向けていたが、次第に信頼関係を築いていく。母と2人暮らし。 - 石塚平良(ウエンツ瑛士)
厚生労働省代表の“日本未来推進会議”メンバー。メンバー最年少で、各省庁が対立し合う中でムードメーカー的な役割を担う。正義感にあふれ、日本のために力を尽くしたいと強い思いを持っている一方で、経験値のなさから、迫り来る危機に頭が真っ白になってしまう。しかし天海の姿勢に感化され、大きな壁に立ち向かっていくようになる。 - 相原美鈴(中村アン)
外務省・外交総合局国際保障課の官僚。“日本未来推進会議”の副議長。上昇志向が強く、やり手。海外生活が長かったため、自分の意見や物事をはっきり言うタイプで、日本人的な気の使い方は苦手。“日本未来推進会議”メンバーきってのエリートである常盤に興味を持ち、積極的に声を掛けていく。 - 天海香織(比嘉愛未)
天海の妻。天海とは同郷で、高校時代の後輩。以前は仕事第一主義だったが、娘・茜が生まれてからは茜との生活を優先するように。天海が仕事優先で家庭を顧みず、子育てにも協力的でないことから、1年半前から別居している。持病がある茜の面倒を見ながら翻訳の仕事をしている。 - 東山栄一(仲村トオル)
総理大臣。国民からの人気は高い。日本を環境先進国にするべく「COMS」に力を入れているが、与党のドンを前になかなか思い通りの意見を通せないでいる。現状を打開するために、各省から1人ずつ若手エリート官僚を選抜して、日本の未来のための政策を議論する諮問会議“日本未来推進会議”を発足する。 - 田所雄介(香川照之)
日本地球物理学界の異端児。かつては東京大学の教授として、地震予測精度の向上に貢献して国内外の尊敬を集めていた。だが、地球温暖化に関心を抱いて以来、環境問題の研究にのめり込み、経費を流用して大学を追われた。東日本大震災を機に地震の研究を再開し、関東沈没の可能性を週刊誌で発表。それを読んだ一部のネット民や環境活動家がデモを起こして、国民にも不安を与えることになる。
出演者
小栗旬/松山ケンイチ/杏/ウエンツ瑛士/中村アン/比嘉愛未/仲村トオル/香川照之 ほか
スタッフ・音楽
原作:小松左京「日本沈没」/脚本:橋本裕志/演出:平野俊一/演出:土井裕泰/演出:宮崎陽平/プロデューサー:東仲恵吾
主題歌:菅田将暉「ラストシーン」
概要
小栗旬主演で名作「日本沈没」を連ドラ化! 舞台を2023年の東京にアレンジ
1973年に刊行された小松左京による不朽の名作に大きくアレンジを加えて、小栗旬主演で連続ドラマ化。2023年の東京を舞台に、原作でも描かれていた環境問題を現代に照らし合わせ鮮明に描き出す。小栗が演じるのは野心家の環境省官僚・天海啓示。天海はある暴論を通し、日本が未曾有の事態へと追い込まれていく運命に巻き込まれていく。共演は、天海の大学の同期で経済産業省官僚・常盤紘一役の松山ケンイチ、天海に接触しスクープを狙う週刊誌記者・椎名実梨役の杏、支持率の高い総理大臣・東山栄一役の仲村トオルら実力派たち。さらに、日本地球物理学界の異端児で周囲を翻弄する田所雄介に香川照之が扮する。
記者会見情報
TBS系の連続ドラマ「日本沈没―希望のひと―」の制作発表が行われ、主演の小栗旬のほか、松山ケンイチ、杏、ウエンツ瑛士、中村アン、國村隼、比嘉愛未、石橋蓮司、仲村トオル、香川照之が出席した。目的のためには手段を選ばない、野心家の環境省官僚で、未曾有の事態へと追い込まれていく日本の運命に巻き込まれる天海啓示を演じた小栗。“信じられるリーダー像”について問われた小栗は「考えてみたんですが、信じられるリーダーみたいな人は、信じる力が強い人なんじゃないかと、自分の中で結論づけました」と語り、「なかなか(本心を)言えない立場の人と、言える立場の人の中で、言えない立場の天海の一言一言が刺していく。みんなとの関係性が変わりながら、未曾有の災難に立ち向かっていく物語になっています。ぜひ、最後まで見ていただけたらうれしいなと思っております」とアピールした。
現場での立ち振る舞いは香川さんに学びました(小栗旬/天海啓示)
(作品のキャッチコピーの“信じられるリーダーはいるか”について)考えてみたんですが、信じられるリーダーみたいな人は、信じる力が強い人なんじゃないかと、自分の中で結論づけました。信じたら突き進んでいく。自分1人では何もできないから、それを支えてくれる人を信じたら、その人たちを最後まで信じ抜く力を持っている人がリーダーなのかなと思います。役としては、最初は田所博士(香川)のことを疑っている時間があるので、信じ抜く力にたどり着くのに天海も時間がかかっているんですけどね。(現場で周囲に気を配る立ち振る舞いを松山に絶賛され)自分が20代前半に香川さんと会った時に、父の影響もあって、「ちゃんと人の名前は覚えなさい」と言われていたので、現場に行った時に自分よりも先にスタッフの名前を覚えていた方が香川さんで、やっぱり上には上がいるもんだなと思って、それ以来、気を付けるようになったのかもしれないですね。(本心を)言えない立場の人と、言える立場の人の中で、言えない立場の天海の一言一言が刺していく。みんなとの関係性が変わりながら、未曾有の災難に立ち向かっていく物語になっています。
小栗くんの立ち振る舞いを役作りの参考に(松山ケンイチ/常盤紘一)
天海はどちらかというと前に進んでいくタイプなんですが、常盤は全然違って、周りとのバランスとかを調整していくような立場。シリアスな話で、会議とか結構重い話が出てくるので、議長として、その場の空気が重くなりがちなところを熱くなりすぎず、割とゆるさというものも入れながらバランスを取ってできたらいいなと思ってやっています。僕自身は常盤と全然違うタイプで、自分のことしか考えていない人間(笑)。どう役作りすればいいか考えて、小栗くんを見ていたんです。小栗くんは現場にいて、いろんな人に話し掛けて、いろんな人のことを見ている。例えば、1人でボーッとしてる人に、「何してるの?」って話し掛けているのを見ていたんです。「あぁ、これだな」と思って。そういうアンテナの張り方とか、立ち振る舞いがすごく参考になりました。ある意味、常盤的な部分を持ち合わせているんですよね。今回一緒にやらせていただいて、勉強になりましたし、天海が小栗くんで本当によかった、助かったと思いました。
何かを暴き出す職業の重大さや衝撃を感じた(杏/椎名実梨)
普段は取材していただいたり、追われる的な感じの立場ですが、今回は追う側。記者は何かあるものを暴き出すとか、引っ張り出す職業だと思うんです。自分がつかんだものが、自分が思ったよりずっとずっと重たかったり、大きかった時に感じることの重大さとか、衝撃みたいなものは演じていてすごく感じたし、普段報道されているニュースや記事は、いろんな思いが込められていたり、あるいはタイミングだったり、言い方が一つ一つ考えられて世に出ているものなんだなと、普段の生活でも思うようになりました。(現場で“雨女”だったという指摘には)普段はむしろ“晴れ女”ぐらいの気持ちでやっているんですが、今回は3回ほど撮影が飛んだんですよ。雨だか風だかで…。現場まで行ってそのまま帰るみたいなことがあって、波乱を呼ぶ役でしたね。
小栗さんは頼りがいのある男(ウエンツ瑛士/石塚平良)
豪華な方々と共演ができて、楽しい撮影時間を過ごさせていただきました。各省庁からある程度能力のある人間が集まる中で、日本沈没というにわかに信じがたい出来事が迫っていると知った時に、どれほどそれがリアルに感じられるか。信じるのがよい、悪いということではなく、官僚として、国民を救うためにどれだけ準備をするのか、そこのバランスが、演じる厚生労働省出身の石塚や外務省、それぞれの立場の違いがあって、序盤は楽しい部分になるのかな。日本未来推進会議の中では最年少で、ムードメーカーの立ち位置になっていく過程が描かれているのがすてきだなと思いました。(小栗のことを)僕はリーダーと思ってますよ。基本、かまってほしいというタイプだと思いますので、僕が僕がというタイプ。実際に頼ると頼りがいのある男であるのは間違いないので、僕が演じた役も天海さんに心酔していくというか、共にこの日本の危機を乗り越えるという部分があるので、それは天海の役どころでもあり、小栗さんの背中でもあるなと感じていました。
いきなり英語をしゃべるシーンはカットしてほしい(中村アン/相原美鈴)
私は外務省から未来推進会議に参加する役どころ。帰国子女で自信があって向上心が強い役なんですが、日本語より英語、怒ると英語が出ちゃう瞬間があって。いきなり英語を発してるんですが、そこだけはどうしてもカットしてほしいと思いました。香川さんにも「あれはどうなんだ」って言われたんです。皆さんにもいじっていただいたのですが…本当にカットしてください。
立場がある人の葛藤を実感(國村隼/世良徹)
演じる世良徹は学会の権威となっていますが、実は田所の才能に嫉妬しているというか、逆に言うと非常に認めているというか、そういう役どころで。田所が主張する「沈没説」についても「本当はあるかも?」と、どこかでは思っているんですが、政治的な立場もありますし、学者と政治的な立場の二足のわらじを履かねばならない人の葛藤を、世良を通して実感できるようになりました。その後、(コロナ対策の指針を示してきた政府分科会の)尾身(茂)さんが会見されているのを見ると、人ごとに思えないような感じがしました。自分の一言によって、皆さんが右を向いたり左を向いたりすることが、いかに怖いことであったり、その中に、自分の中の葛藤も含め、本当はこっちだと自分でも思っているのに、立場上はそのことを公表できなくて、むしろ逆のことを包み隠してしまったりとか、いろんなことをしなきゃいけない。結構入り組んだ状況の中で、“葛藤”というものがふさわしいキャラクターが世良じゃないかなと、やりながら思いました。
妻の目線で天海の葛藤を感じた(比嘉愛未/天海香織)
天海の妻、そして一人娘の母として、どんな状況の中でも変わることのない、普遍的な家族の愛情を表現できたらなと思って精いっぱい演じさせていただきました。どんな立場の方でも家族や大切な人がいて、日々いろんないいこともあれば悪いこともあって、心の葛藤があるじゃないですか。天海も官僚として、日本を沈没から守らなければいけない使命感と、一個人としての心の葛藤といいますか。孤独というとか、いろんなものを抱えている姿を、小栗さんが繊細に丁寧に演じていらっしゃって、きっとこれはたくさんの方に共感していただけるんじゃないかなと、私が妻という目線で感じたので、ぜひ楽しみにしていただけたらと思います。
役を通じて仲村くんをいじめて快感(石橋蓮司/里城弦)
副総理というとどんなキャラクターなのか、ご想像通りだと思いますので、皆さんの想像に負けないように演じさせていただきました。東山総理(仲村)は理想論を言いますけれども、それを現実に沿ったものにしてほしいという役どころでしたので、ずっともめてましたけど、リアリティーを持ってやらせてもらいました。仲村くんとは何度も共演させてもらっていますが、今回の役を通じて、じっくりいじめさせていただきました。非常に快感でした。
実際の政治家を優しいまなざしで見るように(仲村トオル/東山栄一)
最高責任者でありながら、実は最大の実力者ではない。物語の序盤は弱さとか、人としての小ささが垣間見えるところからスタートして、立場が人を作るところはあると思うんですが、最終回に向かって、少しずつ成長する総理大臣のつもりで演じました。終わってみて、自分の中でちょっと変わったなと思うのは、撮影が終わってから、現実の(政治家の)先生方を、とても優しいまなざしで見るようになりました。「きっといろんな事情があるんだろうな」とか、「言えないことがたくさんあるんだろうな」って思いながら見るようになりました。演じていて一番しんどかったのは記者会見のシーン。多くの記者の人たちを前にして、自分のしゃべる言葉を快く聞いてもらえない状況の中で、全国民を説得しなきゃいけないシーンがなかなか厳しかったなと思います。
自分勝手で一番やりやすい役(香川照之/田所雄介)
現在地球が置かれている状況にリンクした作品としても、ドラマとしての独創性も、単独でも考えさせられるドラマになっていると思います。この中の人物すべてが、日本が抱えている地殻変動の状況や環境の変化に影響を受けていく。そんな中で、演じる田所だけが一貫して同じことを言う。ただ1人影響を受けない。一番やりやすい役でした。自分勝手な役は、フィクションの上では簡単なことだと思っていますから。國村さんの言葉を聞いていて思ったんですが、立場がある人は絶対言えないことも、田所は立場がなくて失うものがないので、ギャンギャン言えるんですよね。その中で、主人公である天海は、環境省の役人で(本音を)言えない立場であるにもかかわらず、正しい方向のことを言っていく。天海だけが正しい言葉を発し、切り裂いていくんだなと。それがこのドラマの存在理由なんだなと思いました。
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