菅田将暉&小松菜奈が映画「糸」で3度目の共演。「強い結びつきは、やっぱりちょっとうらやましく思います」2020/04/04
映画「糸」で3度目の共演を果たす菅田将暉&小松菜奈が登場。一緒に過ごした過去が、安心と信頼につながったと語る2人が感じる本作の魅力とは。
── お二人は、今回で3度目の共演となりますね。
菅田 「中学生時代の回想ブロックと、僕らが演じた大人のブロックがあるので、実は今回共演シーンはさほど多くないんです。その空白の時間を埋めてくれたのは、やっぱりあれだけ一緒にヘビーな作品をやってきた過去があるからだと思いました」
小松 「本当に安心感と信頼感があったのは大きかったです。相手の気持ちが想像しやすい、という利点がありました」
── 13歳で出会った漣と葵の8年後の再会、それから31歳になるまでの人生模様が描かれます。
菅田 「長い期間を描くだけに、少しでも気を抜いてしまうとダイジェストになってしまう、という怖さがありました。だから一つ一つのシーンにちゃんと重さを持たせないと、というのが最も気を付けた点でした」
小松 「台本を読んで、楽しかったり苦しかったり、それぞれの人生にいろんな波があり、いろんな表情があるんだな、と感じました。人によって幸せって違うんだな、とも。この現場で再会した方々も少なくはなかったので、“すべてどこかでつながっているな”と感じたのも、『糸』の世界観と通じていると思いました」
── 運命に翻弄(ほんろう)され、引き離されながら18年間もの長い間、お互いを思い合っている漣と葵の関係を、どう思いましたか。
小松 「本当にピュアだなぁ、と。そんな風に思える人がいるってすてきだな、と思います」
菅田 「2人は壮絶な経験をしていて、実際は“主役タイプ”の人間ではないんですよね。だから単純にうらやむことはできないけれど、それだけ強い結びつきは、やっぱりちょっとうらやましく思います」
── 漣と葵には、それぞれ自分と重なる部分はありましたか?
菅田 「僕はサッカーをしていたこと以外、重ならないです(笑)」
小松 「私は、何かやりたいと思ったら、その時にすぐ自ら行動する、という性格が葵と似ているかも。その時に行ってみないと出合えない景色がある、と常に思っているので」
菅田 「実際に、思い立ってどこかに行ったりしたことは?」
小松 「立て続けに仕事が入り、自分の中でいっぱいいっぱいになった時、1人で突然オーストラリアに行ったんです。英語も大して話せないけれど、行けばどうにかなる、と。知らない人たちの中で過ごし、それがまたすごく居心地が良くて。自分の恵まれた立場も客観的に見直せたし、とても充実したいい時間になりました」
菅田 「それはスゴい。人間、特に若い頃はいっぱい行動し、いっぱい好きなものを見つけていくべきだよね。この映画を見て、そういう人生の幅みたいなものを考えるきっかけになってもらえたらうれしいです。つらいだけじゃなく、生きることの気持ち良さも詰まってますから」
【OUR『心が温まる』MOVIE】
菅田 「小さい頃に何度も見た、『サンドロット/僕らがいた夏』(1994年)という野球チームの少年たちの話が、すごくいいんですよ! 怖いうわさのある家の庭に飛んだボールを取りに行けない…という冒険あり、ユーモアあり。無知な“クソガキ”たちの日々が(笑)、愉快で」
小松 「私は『レミーのおいしいレストラン』(2007年)を見ると、気持ちが良くなります。実写では描けない魅力が詰まっていて、夢もあるし、おいしそうなご飯も出てきて。2人のレストランが最後にはいい方向に進む、というハッピーエンドも大好き」
【プロフィール】
菅田将暉(すだ まさき)
1993年2月21日、大阪生まれ。魚座。A型。近年の主な出演作に映画「アルキメデスの大戦」、舞台「カリギュラ」(共に2019年)など。主演映画「花束みたいな恋をした」が20年冬に公開予定。
小松菜奈(こまつ なな)
1996年2月16日、東京生まれ。水瓶座。O型。近年の主な出演作に映画「閉鎖病棟‒それぞれの朝‒」「さよならくちびる」「サムライマラソン」(全て2019年)など。出演映画「さくら」が20年秋に公開予定。
【作品情報】
映画「糸」
近日公開
13歳でひかれ合いながら引き裂かれ、それから8年後。ついに漣(菅田)と葵(小松)は再会するが── 。中島みゆきの名曲「糸」をモチーフに、平成元年生まれの2人の18年にわたる愛の軌跡を、平成史と共に描く。
取材・文/折田千鶴子 撮影/中野修也(TRON)
ヘア&メーク/Emiy[菅田]、小澤麻衣(mod’s hair)[小松]
スタイリング/伊藤省吾(sitor)[菅田]、遠藤彩香[小松]
衣装協力/ステューシー(ステューシージャパン)、アリーズ(コムコード)[菅田]、AKANE UTSUNOMIYA、CLEANA(ともにBRAND NEWS)、YELLO[小松]
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